KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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「え、わたしって、佐助さんの事が好きだったの?」
「え、違うの?」
違うも何も、意識したことなかったんですが。
と返したら、当の本人である佐助さんが珍しくぽかんとしてる。
普段はいつも作った表情しかしないから、珍しい珍しい。珍しいからしっかり見とこ。
「そ、それ本気?本当?照れ隠しとかじゃなくて?」
「えーと、何がどう本気かわからないんだけど、わたし、佐助さんの事好きじゃないとなにかまずかった?」
「いや、まずいとかうまいとかじゃなくて…えぇー」
佐助さんはこの町の人で、なんか時々お団子を買いに来る。
しかも来たら大量に買っていくから、いつのまにか顔を覚えてしまった。
だってだって、あんなにたくさん買って行ってくれる人他に居ないんだもの。
自分で食べてるのかしら?あんな沢山のお団子を一人で?黙々と?それとも大家族なのかしら。あぁ、もしかしたら代のお団子好きかも知れない。だから、お給金が入ったら我慢できずに沢山食べたいんだわ、とか、色々考えてて。
いつか聞こう、今度来たら聞いてみよう、と思いつつ、結構長い間聞けなかった。
だって、相手はお客様だし、男の人だし、なんか毎回疲れてるみたいだったし。
だから、佐助さんがあんまり疲れてなさそうな日を見つけて漸く声をかけれた。
そしたら、なんか、あー、まぁ、うん。団子が好きな人がいて…ちょっと、ね。だって。
じゃあ佐助さんはそのお団子好きな人にお団子を買っていってあげてるわけね、ふむふむ、と謎が解けてすっきりしたのはつい最近の良い思い出だ。
「だってさ、ほら、いつも俺の事見てたじゃん」
「そりゃ、相手の目を見て離さなきゃ失礼でしょう?」
「や、俺が店に来た時からこっちばっか気にしてなかった?」
「だって、あんなにお団子たくさん買う人他に居なかったし、一体どうやって食べてるのかなぁって」
「ずっと話しかけようとして躊躇ってなかったっけ」
「お客様にいきなり話しかけるのもどうかなぁ、と迷ってました」
「あの、どうかしました?」
「いや、あは、あはははは!どーもしないよ、うん!あっはっははは!」
佐助さんはなんか急に明後日のほうを向いて、笑いだした。
えーと、えーと、どうしてこうなった。
こんなのいつもの佐助さんじゃない。
わたしか、わたしが何かしてしまったのだろうか。
えーと、えーと。
「さ、佐助さん」
「なーに?」
「す、好きですよ?」
「そんな困ったように言われてもね!あっはっは!」
どうしよう、佐助さんが壊れてしまった。
自意識過剰な男ほど笑えるものはないよね!
いつも行くお団子屋さんの娘さんが自分に惚れてると思った佐助の勘違いな物語でした。
好きな人ほど苛めたくなるのは恋する乙女の証拠よね!
佐助好きです、あいらびゅー。
「カイ…」
「おれ、ここにいるよ。ちゃんと手もにぎってるよ」
「うん、ごめん、ね」
「なんであやまるんだよ」
「だってカイ、泣きそうだから」
にぎってた手をはなして、ぐい、と顔を拭いた。
まだ、涙はでてなかった。
また、手をにぎる。
「そんな顔、してねーよ」
「ごめんね」
まっしろな部屋、ベットも、壁も、カーテンも、床も、全部白い。
良太郎のパジャマが白い、顔は、青白い。
にぎってる手は、両手でつつまなければいけないほど大きいけど、軽い。
笑顔は昔と変わらないけれど、いつからか頬に影が落ちてきた。
「カイ」
「なに」
「大好きだよ」
だからどうか、忘れないで。
病気良ちゃんパート2。
ハナちゃんとカイカイを取り換えっこ。
2009/12/09
良太郎が、良太郎が、良太郎が。
“カイ”
良太郎が、良太郎が、りょうたろうが。
“大好きだよ”
良太郎が、りょうたろうが、りょうたろうが。
“忘れないで”
りょうたろうが、りょうたろうが、りょうたろうが。
…りょうたろう?
りょうたろう、りょうたろう、りょうたろう。
誰だったっけ?
良ちゃんが、あーあー。
2009/12/09
なんだかつまらない。
とてもとてもつまらない。
変だな、昔はもっと楽しかったはずなのにな。
ん?昔っていつだっけ、なんだっけ?
覚えてないなー、覚えてない。
昔ねぇ、昔々。
何があったっけ?
ま、いーや、忘れちったことだし。
つまらないなぁ、つまらない。
何をしてもつまらない。
いつからだろう、つまらなくなったのは。
いつからだろう、忘れ始めたのは。
朧気に覚えているのは、なんだろう。
何も覚えていないような気がするし、ぼんやりと輪郭が浮かんでいるような気もする。
あれは…人?
「忘れたことは、思いださないほうがいーって気がする」
こんな時どんな顔をすればいいのかも忘れた。
だからとりあえず、笑っておこう。
「忘れといたほうがいーって気がするよ」
悲しさの忘却。
2009/12/09
カイくんの設定が謎すぎる。
謎だから、好き勝手遊ばせていただきました。
舞台は未来、良ちゃんが病死設定。
当時は未来に特異点がハナちゃんしかいなかったので、てっきり良ちゃんが他界していたものだとばかり思ってまして…。
ハナちゃんと立場チェンジ→あのキャラからして執着心すごそう→良ちゃん大好き→良ちゃん病死→パーン→物忘れ開始→もしかしたら続くかも
いつまでたってもうpらなさそうだから、とりあえずこっちにあげとく^ω^
おーるはなちゃんのお話。
お父さん、お母さん。
そして、今はもういない叔父さんも。
友達も、知り合いも、他のみんなも。
みんなみんな、ごめんなさい。
私だけ、生き残ってしまいました。
叔父さんが生きていれば。
叔父さんも特異点だから、きっと一緒に残れた。
この白い世界、何もない空間、空白の間、私は、どうしたらいいの?
死んだら、そっちへ逝けますか?
お父さん、お母さん。
叔父さん。
消えて、しまった。
みんなみんな、消えてしまった。
私だけ、消えなかった…。
「チケット確認します!」
いつの間にか持ってたパス。
現れたのは、電車。
「はい、確認しました。どうぞ、デンライナーへ!!」
誰かが思い出してくれるまで待っている場所。
けれど、私の時間はもう存在しない。
だって、消えてしまった。
ある日突然、何の前触れもなく、私だけを遺して。
お父さん、お母さん、叔父さん。
私だけ残ってごめんなさい。
出来ることなら一緒に消えたかった。
もし、未来があるのなら。
その時は、絶対に一人だけ残ったりしない。
みんなと一緒に頑張るから。
みんなと一緒に消えるから。
みんなが消えないでいられるように努力するから。
だからどうか、未来をください。
え、こういうことですよね?
ハナちゃんは全部知ってた→愛理さんや桜井さんのこと。良太郎との関係を知ってた。
良太郎くんは特異点なのに消えてしまった→良ちゃんがいない。
2008/09/11
「ハナさん、もうちょっとしたらご飯できるからね」
「はぁい!ねぇ、りょーたろー。わたしも何かお手伝いできる?」
「じゃあ、大きいお皿並べてくれるかな?」
「はい!あとフォークとコップも出しとくね!」
わたし、桜井ハナ!六歳!!
りょーたろーのところでお世話になってます。
お父さんとお母さんは、わたしがちっちゃい赤ちゃんの時に事故で死んじゃって、りょーたろーがわたしを引き取ってくれたの!
りょーたろーは、お母さんの弟なんだって。
「おまたせー、できたよー」
「スパゲッティだ!わたし、大好き!」
「じゃ、早く食べよっか」
「うんっ」
わたし、りょーたろーが大好きっ!
だって優しくて料理が上手で大人で、でもちょっと情けないところとか運がないところもあるけど、強くってすごくって、とっても大好き!
大きくなったら、りょーたろーを助けてあげられる人になりたいな。
ちょっと情けないところと運がないところを、守ってあげられる人にもなりたい。
りょーたろーはいつもわたしを守ってくれるし、助けてくれるもん!
だから、いつか恩返しできたらいいな。
「おいしーっ!」
「そう、よかった…こほっ」
「りょーたろー、風邪?だいじょうぶ?」
「ちょっと咳きこんだだけだよ、平気」
りょーたろーの笑った顔も、好き!
りょーたろーの料理も、好き!
りょーたろーの全部が、大好き!
「りょーたろー、わたしが、りょーたろーを守ってあげるからね!」
「…ありがと、ハナさん」
「だから、ずっと一緒よ!」
けれど、もう引き返せないほど蝕まれていて。
良ちゃん病気設定。
2008/09/16
おかえり
そう言われた瞬間、涙が溢れた。
咽喉から出たのは、嗚咽と謝罪。
目の前にいる良太郎は、あれから十年以上経つのですっかり大人びた顔になっている。
わたしにしてみればたった今終わった事が、貴方にしたら何年も経つ昔の出来事。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「何を謝るの。ハナさんは何も悪いことをしてないじゃない」
「巻き込んでしまって、ごめんなさい」
貴方は今、どんな気持なのかしら。
きっと、わたしがたった今帰ってきたことを分かっているんだよね。
守られるばかりだった、弱いちっぽけなわたしを、貴方はどう思う?
そして、貴方に戦えと突然に現れて無理やり戦わせたわたしをどう思う?
辛い戦いを強いてしまった。
守ると言いながらも、守れなかった。
たくさん傷ついて、たくさん泣かせた。
優しいあなたを、こんなにも苦しめた。
まだ十代で幼くはないけれど、決して大人でもない貴方に、とても大きな荷を背負わせた。
「ごめんなさい。わたし、なんて酷いことを…」
「謝らないで。僕は、良かったと思っているから」
「良かった?あんなに、辛かったのに!!あぁ、わたしは、なんてことを!」
「あの戦いのおかげで、僕は強くなれた。嬉しい出会いもあった。良いことも、沢山沢山あった。辛いだけの戦いじゃない、とても意義のある戦いだった」
笑わないで。
そんな、いい思い出みたいに言わないで。
わたしは、貴方がどれだけ辛かったのか知ってるんだよ。
貴方の流した涙を見ているんだよ、嘗めた辛酸がどれ程のものだったかも理解している。
だからだから、わたしを責めていいの、怒っても良いの。
「知っていたのに。止めることもできたのに。どうして、止めなかったの、言ってくれなかったの!!そしたら…!」
今、この時点で、この時間に居る良太郎は全部知っていたはずだ。
あの日あの瞬間、貴方の前に現れたわたし。
そこでわたしは貴方に、何も知らない貴方に、戦えと、言った。
わたしさえいなければ!
過去、自分がどんな辛い目にあって、どれだけたくさん傷ついて、どれだけ辛い思いをしたのか。
わたしの所為で、わたしが、貴方の前に現れたりなんかしなければ。
貴方は戦いなんて無縁の場所に居たのに。
諸悪の根源であるわたしを止めてくれたら、わたしも、無理に貴方を戦わせたりしなかった。
止めてくれたら、知らせてくれたら、回避できたのに。
あんなこと、起こらないですんだかもしれないのに。
「ハナさん。僕を言い訳に、思い出を辛いものだけにするのはよくないよ。思い出して、楽しいことも、嬉しいことも、たくさんあったでしょう?モモタロスと騒いだでしょう、ウラタロスと話したでしょう、キンタロスと過ごしたでしょう、リュウタロスと遊んだでしょう。ほら、辛いだけじゃない。楽しかったでしょう?僕も楽しかった。楽しかっただけとは言わないけれど、確かに、有意義な時間だった」
そう言って、良太郎はわたしの頭をなでてくれた。
昔はわたしと同じくらいの身長だったのに、今では私のほうが小さくなってしまった。
柔らかかった掌も、骨ばった大人の男の人の手になっている。
良太郎、貴方はもう、本当の大人になったんだね。
わたしは…わたしは…。
「良太郎、ごめんなさい」
「わたしも、みんなと、良太郎と出会えてよかったと思うわ」
少しあのころを思い出しながらいうと、良太郎は記憶の中にあるのと同じように笑って、もう一度頭をなでてくれた。
ごめんなさい、そして、
「大好きよ、良太郎」
2009/11/23
すっ、と自分の中から何かが消失する感覚があった。
それは自分のとても大切で大事な力だった。
なくなってしまってとても悲しいし、同時に切ない。
とても長い間一緒にあったものが消えてしまうのは、どうしたって辛いものがある。
けれど、それは同時に喜びも運んできた。
この力が消えたということは、受け継ぐものが現れたということ。
過去同じ時を生き、一緒に戦った大切な仲間。
また、という言葉を最後に、いつかの未来へ旅立った。
そして時は廻り、再会の時がやってきた。
「おめでとう、姉さん」
「良ちゃん…」
姉の腕に抱かれた嬰児は、まだ赤くふやけている。
「見て、元気な女の子よ。生まれてきてくれたわ。私の、赤ちゃん」
「良かった…。本当に、おめでとう」
「ありがとう、良ちゃん。そしてハナちゃんも、生まれてきてくれてありがとう」
ハナという名前は、いつの頃か子供にハナという名前を付けるのだと言っていた。
良太郎はそれを知ったとき、ついに、と思った。
やっと、沢山の人に守られて慈しまれて大切にされた少女が生まれるのだ。
彼女を、未来を守るために辛い戦いがあった。
沢山の人が傷ついて、涙したが、それでも、この未来を守ってよかったと思う。
「ハナちゃん、お母さんですよ」
嬰児は眼を開けず、また、動くこともない。
眠っているのか、はたまた起きているが動く気がないのか。
わからないけれど、そこに存在しているのは確かだ。
確かに、存在している。
僕らの未来が。
「おめでとう、姉さん。そして、生まれてきてくれてありがとう、ハナさん」
やっと、手にした僕らの希望。
2009/11/23
未来で良ちゃんという特異点がいるにもかかわらず、世界はハナさんを残して消えてしまったのでてっきり未来で良ちゃんは死んでしまったのかと思っていたのですが、
さらばでんおーで普通に存命でしたので、特異点はその時間につき1人、ということなんじゃないか?という結論に至りました。
きぃ、
真鍮の蝶番で留められて、古いけれど味のある木に丁寧な彫り込みの施された扉が、少し軋んでゆっくりと開かれる。
その様子を、妖怪や人間、有象無象が固唾をのんで見守る中。
俺もあまりの緊張に、なんだか冷や汗が出てきた。
普段呑気な連中だけに、真剣な雰囲気が肌に突き刺さるかと思うほど痛い。
扉が完全に開いても奥はまだ真っ暗で何も見えない。
どきりどきりと、心臓が痛い。
鬼が出るか、蛇が出るか。
「こんばんわ。お久しぶりです、みなさまお元気でしょうか」
出てきたのは何と、女の子だった。
なんじゃ、そりゃー!!!!
思わずつっこんでしまったけれど、これが普通の反応だと思う。
区切りが良いから、またもや次回回し。
えぇ、はい、原作が原作だけに、ギャグですとも。
そういえば、このアパートには、幽霊屋敷にお決まりな「開かずの間」なるものがある。
定番と言えば定番で、ちょっと他のと違うのがブドウみたい連なった鈴が付いているということだ。
しかもこの鈴、どれだけ揺らそうとちっとも鳴らない。
ふると何かが揺れる手ごたえがあるので球は入っているのだろうが、りんともらんとも鳴らない。
なんだろう、と思いながらも、不思議が不思議でないこのアパートの事なのできにしないでおく。
どうせ、「開かずの間」なんだから開くこともないのだろうし。
*
しゃんしゃんしゃんしゃんしゃん
ある日、祭囃子のように賑やかな鈴の音がアパートに響き渡った。
いつもはうるさい鬼たちが一瞬にしておとなしくなって、騒いでる黎明さんや深瀬さんもぴたりとお酒を飲むのをやめて神妙になって、神霊科で働いているはずの秋音ちゃんが飛んで帰ってきて、なんとあの龍さんまでもが現れて、大家さんやるり子さんやクリやシロ、その他まり子さんや佐藤さんや鈴木さんや他のみんな大勢、今まで見たことないような人、物、現象が、静かに、厳かに「開かずの間」へと駆けて行った。
俺もなにやらよくわからんが、とにかく郷に入れば郷に従え、現代風にいえば、おいてけぼりをくらわないように団体行動を取るべし。とりあえず、皆と一緒に「開かずの間」へと向かった。
しゃんしゃんしゃんしゃんしゃん
すると、驚くべきことに、何をどうしても鳴らなかった「開かずの間」の鈴が鳴っているではないか。
風もないのにひとりでに、しゃんしゃんと綺麗な音を鳴らしている。
一体何が起こるのか、と誰かに聞こうとしたけれど、誰も彼も、真面目な顔をしているので聞くに聞けなかった。
そして、俺はふとみんなの視線が「開かずの間」に向いているのに気づいた。
もしかして、この扉が開くのだろうか。
そしたら、この扉の中から何かとんでもないものが飛び出してきたりするのだろうか。
あるいは、どこか禍々しい場所にでも通じていたりするのだろうか。
どちらにしろ、このアパートには危険なものは少ないはず、アンド、住人みんながこうして集まるからにはそれなりの意味があるという事なので、何も知らない俺はただ何が起こるか見ているだけだ。
しゃんしゃん、 しゃん、 しゃん
鈴の音が、止まった。
続
レポートと同時進行してたらかき終わらなかった\(^о^)/
「妖怪アパート」in魔女っ子の予定です。
妖怪アパートはさすが児童書、のんびりしててすごくあっさりした面白い本です。