KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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RRR見てたら更新し損ねました。
そろそろハイキュー全巻欲しいです。
あとハイステも見返したい。
社会人オタク時間なさすぎつらたん。
以下、最近よく書いてる黒尾くんと友達でいたい話。
の、バレンタイン編。
デフォルト:桐崎啓(きりさきあきら)
茶漉しでココアパウダーを振りかけて、生チョコレートの出来上がり。
それを更に少量ずつラッピングしていけば、量産型バレンタインチョコの完成だ。
明日は2月2週目の金曜日。バレンタインの前日。そんなわけで、学校では1日早いバレンタインイベントが開催される。もちろん私も例に漏れず、バレンタイン用に手作りチョコを用意した。今しがたラッピングを終えた生チョコ達が、友達と交換しようねと約束したバレンタインチョコになる。ばら撒き用なので、簡単かつ大量にできる生チョコにしてみた。
そして…ちらりとテーブルの上に残っているブラウニーを見る。生チョコとは別に手間暇かけて作ったブラウニー。いや、市販のキット買ってきて作っただけだけど!!
これは、その、あれ。本命といえば本命かなー?他の人よりも仲良いし、ちょっとだけ豪華にしてもいいんじゃない?的な。義理ではないよ?友チョコの進化版ってゆーか?ちょこっとだけ特別感のある友チョコのような?そんな感じのなかなか複雑なブラウニーが、ラッピングどーするの?と言わんばかりにテーブルに残っている。
ラッピングなんか義理と一緒でいいと思うじゃん?でも、義理って思われんのも癪じゃん?だってわざわざ特別に作ったわけだし?受け取った時それなりのものだと感じてほしいし?
友チョコ、友チョコだけどね!?あ゛ーーーー!!!!
*
登校して早々、バレンタイン友チョコ交換会は始まった。
えーやばーい手作りー?めっちゃ可愛いー!うまー。ねぇそっちのもちょーだい。
などなど、仲良しグループ集まっていたら友達が友達を呼んで大交換会に発展した。なんだなんだと楽しそうな輪の中に男子も混ざってきて、友チョコ交換だけではなく、義理チョコを配る事態に。まぁバレンタインのために作ってきたから間違いじゃーないんだけどさー。男子に配るのは想定外だわ。バレンタイン、男子のチョコへの執着舐めてた。チョコ足りるかなー。
「とーぜん、俺のもあるんだよな?」
「あら黒尾さん、朝練は終わりまして?」
「あら桐崎さん、超過酷な朝練が終わった直後で糖分不足の黒尾くんでしてよ」
のしっと急に肩が重くなったかと思えば、朝練終わりの黒尾がもたれかかってきていた。熱い。部活後だからか黒尾が熱い。重いし暑いとふりほどけば、ニヤニヤと手の平をコチラに見せつけてくる黒尾がいた。黒尾の行動が何を示しているかわからないわけではない。カバンからチョコを取り出して、その手の平に乗せる。
「黒尾知ってる?今日ってバレンタインらしいよ」
「マジで?知らなかったなー、バレンタインかー」
「マジマジ。まぁ本番は明日らしいんだけどね、なんと私はチョコを持ってるんだよ」
「えっやべー誰にあげんの?」
「それはもちろん?」
「黒尾さんに?」
「はいバレンタイーン!」
「あざーす!」
「あっ」
「ん?もう返せっつっても返さねーよ」
「いや違くて。まぁいっか」
「えー、何よ気になるぅ」
なんでもないでーすと黒尾を振り切って席に着くと、思い切り頭を抱えた。
間違えた、間違えた、間違えた。さっきまで友チョコを配ってたせいで、間違えて黒尾にも友チョコを渡してしまった。チョコだ。間違いなくバレンタイン用のチョコだけれども。なんだったらブラウニーよりもチョコらしいチョコだけれども!
その後間も無く予鈴が鳴り、チラチラとこちらを見てくる黒尾を無視しつつ、チョコ交換会はいったん幕を閉じた。
「てかさー、なんで黒尾に義理チョコあげたん?」
「えっ」
「それ気になってた。友チョコと同じだったじゃん。本命じゃないの?」
「えっ」
「あーあ、黒尾カワイソー」
「えっ」
昼休み、イツメン。
お弁当を食べていたらなんか責められた。なぜ。
「朝練終わって教室きたら、男子にチョコ配ってる啓」
「それらは義理チョコで、自分は特別なものをもらえると思ってた黒尾」
「しかし貰えたのは他の男子と同じチョコ」
「黒尾可哀想じゃん。本命作ってきてないん?」
作ってきてますとも。そして渡し間違えたんだよ言わせんな!!
お弁当も食べ終わったので、朝交換した友チョコの一つを口へ運ぶ。うま。話題はいつの間にか誰が誰に告白するとか、誰それの好きな人はとか、色んな人の恋バナへと移行していた。女子の情報網すごいよね。同じ女子だけじゃなくって男子の好きな人とかも普通に知ってるんだから。
黒尾の机を見てみるも、黒尾はいない。お昼は大体同じバレー部の人たちと食べてるから不在なのを知っている。あー友チョコおいし。こんなに美味しい友チョコ作る人の本命チョコはさぞかし美味しいんでしょうね。
「黒尾休み時間引っ張りだこだじゃん」
「告白されたり、本命チョコ貰ってんでしょ」
「いーの?旦那に虫群がってるけど」
いや女子を虫扱いすんなし。てか旦那じゃないし。黒尾がモテることくらい知ってるし。バレンタインだから告白祭りになってることくらい想定通りだし。どーせ黒尾だから当たり障りなくチョコもらってくるのもわかってるし。告白は…たぶん断ってくるもん。
モヤモヤモヤモヤ、そんな気分のままお昼休みが終わった。普段は予鈴前に帰ってくる黒尾は本鈴ギリギリまで帰ってこないし。もーーーーー!!!
*
「やっほぴー。今日の成果どんな感じ?」
「こんな感じ」
放課後、黒尾が部活終わるのを待ち伏せた。
んっと見せられたのは紙袋に詰まったチョコ達。まーおモテになることで。その中に本命がいくつあるんですか?全部ですか?私が何の為に黒尾を待ってたと思ってんの?バカなの?
「やばいじゃん、全部食べんの?」
「手作り系以外は賞味期限までにっつー感じ」
「ちゃんと食べるとかモテ男の鑑か」
「ねぇヤキモチ?ヤキモチなの???」
ニヤニヤしてくる黒尾ウザい!そーだよ餅焼いてんだよ!!断ったっていいじゃん!!何そのチョコ豊作アピール!
「へーぇ、そんなにいっぱいチョコあるんじゃ、もうチョコはいらないねー」
「なになに、なんかあんの」
「あら、こんなところにまだチョコが」
「えっ、なにそれ」
「あれれ、朝黒尾に渡したチョコとはまた別物っぽいぞ?」
わざとらしくカバンから出したのは、黒尾用に作ったブラウニー。これを渡すために黒尾を待ってたんだから、今日私部活ないのに。わざわざ、こんな時間まで。
だってせっかく作ったんだから渡したいじゃん。黒尾の為に作ったんだから!
「ね、啓ちゃんのトクベツ、受け取ってくれないかな」
身体が触れ合うまであと一歩の距離まで近づいて、見せつけるようにチョコを持って、上目遣いで、ちょっと困り顔で、最大級あざとく言った。言ってやった。
顔が熱い、ほっぺが赤いのはわざとじゃない。
「ウケトリマス…」
天を仰ぎながらチョコに手を伸ばしてきた黒尾に、訳のわからない勝利を確信して心の中でガッツポーズを取る。
黒尾の手にブラウニーを握らせると、黒尾はそのままヘナヘナとしゃがみ込む。どうしたどうしたと一緒にしゃがみ込んで背中を撫でていたら、すごい長いため息が聞こえてきた。
「スゲー焦ったし、スゲー嬉しいし、桐崎スッゲー可愛いしでやべー」
私もやべー。
今更になって羞恥心が込み上げてきた。幸いなことにうつむいている黒尾にガチの照れ顔は見られてない。セーフ。
しばらく待っていても立ち上がる様子のない黒尾に、渡すもの渡したし帰ろうかなと立ち上がると、スカートをつかまれた。いやん、えっち。
「送る」
「いつも途中まで一緒に帰ってるじゃん」
「今日は家まで送る」
「別にいいけど」
そんなわけでバレンタイン、無事成功したので一安心。
え、ちゃんと友チョコって渡したよね?友チョコだよね、これ。友達の範囲内だよね?
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