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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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無題


「よぉ」



昼だというのに酒と煙草と男たちの笑いが響くいつのも酒場、7席しかないカウンターの一番左端のいつもの席。 一人でパッセンジャー・リストを舐めながら、つまみであるゴルゴンゾーラとクラッカーを貪るといういつものスタイル。 うるさい中で一人静かに酒を煽るという行為が少しカッコ良くて気に入っている。 でも、この掛け声は嫌い。



「まぁた一人かよ」

「そうよ、高根の花って雰囲気で素敵でしょ」



一度だけ目を見て、それから目線をカウンター奥の棚に移す。 色取り取りの酒瓶を見るのは楽しいけれど、それ以外見るものがなくてひたすらそれだけを見ていて見飽きている。 でも、あいつの相手をするよりはうんとマシだ。 こうやって声をかけられることは時々ある、いや、あった。 過去系だ。
昔も変わらず一人でやっていたら、酒に酔った阿呆な男に声をかけられた。 髯面で、肉の塊で、下卑た笑いを浮かべていて、非常に不愉快だった。 拒否の声を発したにもかかわらず、引き下がらない。 周りは、男の仲間はそれを煽る。 挙句の果てには卑猥な行為を求められ、腕を掴まれたので腹が立った。 男は嫌いだ、いつでも女を下に見る。 酒に酔った男は一番嫌いだ、自分が世界で一番だと思う愚か者だから。 ちゃんと拒否はした、それでもやめなかったのは男の方。 見縊るな、女だからといって男に劣る理由はない。 男の首に手を回し、そっと顔を近づけ妖艶に笑う。 男がにやりと笑うと同時に、膝で勢いよく股間を潰した。 次いで回した腕をそのままに頭突き。 男が呻いてつかんでいた腕が離れた瞬間に、掌を握り込んで右ストレート。 右だけじゃ左が可哀想だから、左の頬にハイキック。 倒れ込んでもダメ、暴飲暴食を繰り返した柔らかい腹を蹴り、少しでも楽になるように吐かせる。 これは思いやり、お腹いっぱいで苦しいままだったら可哀想かと思って。 ごほごほと咳込み吐瀉物で汚れ、鼻血で真っ赤になった顔が面白いから、男の仲間にも見せてやろうとまた腹を蹴って仰向けにさせる。 曝された喉元に足をそっと乗せる。



「這いずりなさい、お前にはそれがお似合いだわ」



それからいつの間にか静かになった周囲を見回して、また席に戻る。 呑む気分じゃなかったから、残っていた酒を一気に飲んで数枚残っていたクラッカーを急いで食べて、マスターに一言謝って支払いを済ませて店を出た。 とたんに気分が悪くなった。 もともと酒には強い方ではないので、酒を一気したのが効いたのだろう。 その後のことは語るに値しない。
そんな一件があったので、男に声はかけられなくなった。 どうやら先の男どもがご丁寧な事に噂を広げてくれたようだ、酒場の可憐な美女には手を出すな、と。(噂は若干こうだったらいいなと希望と憶測が混じってるけど、たぶんあってる、はず) だから、声をかけてくる男は少ない。 少ないだけで、皆無ではない。 興味本位で声をかけてくる男がいる。 死ねって思う。 そんな奴らは適当にあしらうか、しつこい様だったら睨む。 睨むと大抵逃げていく。 逃げない奴は潰す。 何を? もちろん、大切なトコ。 …顔が良かったら、ちょっと話す。 でも、ナンパ男が大方だから今まで特に収穫はなし。 カレシボシュウチュウ。 タダシイケメンセイカクヨシニカギル。

なのにこの男ときたら。



「なんで一人なんだよ。友達いねぇワケ?」

「そうよ」 (いや、普通に居るけど。お昼は一人派なだけで)

「へぇ、カワイソーなヤツ。んじゃさ、彼氏とかは?」

「そうね」 (絶賛募集中ですが)

「いや、ソウネじゃなくて。いんの?いねェの?」



ほっとけ! 








続きは…書きに来る…かも?
ちなみに、鬱陶しいのはAのおにーちゃんです。
おにーちゃんは過去酔い潰れてへろへろになってるヒロインを見て、でも気丈に振舞っているのを見てギャップに萌えたそうです。ちなみに、ヒロインから返事が返ってくるようになるまで3カ月。最初の1週間は無視&睨まれ、2週間目に殴られ、1カ月で諦めたヒロインが無視を決め込みます、それでもあきらめないAに根負けしたヒロインはぼちぼちにあしらうようになった今です。




「あんたは嫌いよ」

「でも」



「嫌よ嫌よも好きのうち、ってね」




こんなend

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