KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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あれ、前これ更新したつもりだったけど、してなかった?
BASARAの伊達っつか、梵の夢。逆トリ。もはやオリジナル。
「え、えぇぇぇええぇぇ」
「う、うわぁ!」
わたしは、ごく一般人である。
普通に小学校へ通って中学高校ものんびり通って、大学もまぁぼちぼちの所へ行って。
就職もなんとか大三志望のありていな会社にいきつけたし。
今はオートロック、ロフト付き、駅まで自転車で20分1LDKというちょっぴり贅沢なんだけど交通の便に不便な場所に住んでいる。
お給料はぼちぼちで、ちょっぴり贅沢なお部屋の家賃もちゃんと払えてるし、ご飯も月に何回か外食できる。
仕事に対する不満もなくて、休日は家でのんびりしたり買い物に出かけたりそれなりに充実してる。
彼氏いない歴は一年半、なんかもうしばらくはいらないと思ってる。
実家は夜行バスに乗るような距離の場所にあって、それでもまとまった休みが入った時はちゃんと帰ってる。
一人で悠々自適に生活してた、はずだったのに。
「な、なにやつ!」
「き、きみこそ誰!」
突然子供が降ってきた。
ありえない、なんなの、これ、ありえないにも程がある。
なにこれなにこれ、どっきり?わけわかんない、なんなんだ、なんなんだ、誰か説明しろ。
「きみ、いま上から降ってきた、よ、ね?」
「お前が、この梵天丸を貶めようとしたのだな!?」
「いや、それよりも…」
「お前も、お前もこの梵天丸を弑そうと雇われたのだな!?」
「お、落ち着こう?お互い、落ち着こう?」
「誰がお前なんぞに殺されてやるか!小十郎、小十郎!!」
叫ぶな、近所迷惑でしょう!
わたしは大慌てで子供の口をふさぎにかかったが、ちょろりとかわされた。
そしてなおも叫び続ける。
うわぁ、頼むよもう、勘弁して…。
わたしはなんとか頑張ってちょろちょろ逃げる子供を抱き上げて、口をふさいだ
ら、噛まれてた。
「いったぁー!!!」
「梵天丸はおなごに捕まるほどやわではないわ!」
「いや、本当に落ち着こう!?とりあえず、騒ぐのはやめて、ご近所迷惑だから!!」
崩れた階段、その刹那
2010/01/17
ある日、子供が天井から降ってきた。
信じられない。
しかもその子供がえらい聞かん坊で、騒ぎまくる。
近所迷惑。
必死になって捕獲した。
手を噛まれる。
ぷちーんと切れて、近くに置いてあったブランケットをつかんで子供をくるんで捕獲した。
声は抑えられる。
「ほら、落ち着いて。よしよし、こわくない、こわくない」
ブランケットでくるんでるせいで、ふがふがもごもごとしか言えてない。よしよし。
子供を落ち着かせるには…とりあえず抱き上げて背中とんとんかな。
心臓の鼓動を聞かせると落ち着くんだっけ。よしよし、よしよし。
「大丈夫だよ、恐くないからね。よしよし、よしよし」
暫く子供を抱えたまま背中をとんとんして部屋の中を歩き回っていたら、いつのまにか子供はおとなしくなってた。
…窒息なんてしてないよね?
そっとブランケットをめくってみれば、子供はなんだか泣きそうな顔をしてた。
ぎくりとした。
こ、恐かったかな?大人げなかったかな?きゅ、きゅうに知らない所へ来て恐かったよね?ご、ごめんね?
「え、えーと、ご、ごめんね?」
顔を覗き込みながら謝ると、子供はもっと泣きそうな顔をした。
目を伏せて、若干震えながら、ぽつりぽつりと口を開く。
「知っていた」
「ん?」
「知って、おったのだ。わたしは、池の鯉をとろうとしておった。水面を泳ぐ鯉は煌びやかで、母様に差し上げようと。だが、誤って足を滑らせて、池の中に落ちたのだ。そしたら、ここにいて」
「うん」
「でも、けどっ!」
「うん、ちょっと、びっくりしちゃっただけだよね。もう大丈夫、恐くないよ、だいじょうぶだいじょうぶ」
捕まえた時みたいに捕獲するんじゃなくて、お母さんが子供を抱く時みたいに正面から、頭をなでなでしながら抱きしめた。
子供は、震えるだけで泣かなかった。
まるで、蟻地獄のような
2010/01/18
「どうしよっか」
「わからぬ」
すっかり落ち着いた子供を抱いて、ソファに座った。
子供も、わたしに抱かれている事を良しとした。
子供は池に落ちたと言ったけれど、ちっとも濡れてない。
けっこう豪華な和服を着ていて、言葉づかいも子供っぽくなくて、ちょっぴり変だ。
まぁ、この部屋に突然現れた時点でとっても変だったのだけれど。
「帰りたい?」
「……………わからぬ」
「そっか」
子供が泣きそうな顔をしたから、詳しくは聞かない。
ただ、なんとなく家庭の事情という考えが頭をよぎる。
「今日は、うちに泊まっていく?」
「……わからぬ」
「いいよいいよ、気にしないで。行くところがないなら、うちにいなよ」
突然天井から落ちてきて、騒いで暴れて近所迷惑だったけど。
泣きそうな子供を路上に放り出すなんて真似はしない。
小さい子だ。
誰が見ても子供で、小さくて、でも、何かをちゃんと背負っていて。
悩んで、迷って、それでもちゃんと考えていて。
強くて、立派な子だ。
この子の答えが出るまで、傍にいてあげよう。
いつか帰るその日まで、一緒に考えてあげよう。
前に進もうと努力している人は、好きだ。
「ね?一緒に居てくれなきゃ、さびしいな」
落ちた雨が地面を染める
2010/01/18
何も考えず、子供を抱いて眠った。
一緒に寝ることに若干の困惑を示した子供だったけれど、一度横になるとおとなしくなった。
電気を消すと驚いたようにびくりと震えたけれど、またわたしが隣に戻ると安心したような、それでいてどこか緊張したような面持になった。
子供は、無邪気なだけかと思っていたけれど、そうでないのだなぁ、と思った瞬間だった。
いろいろ、考え直させられる。
「おやすみ。不安があるだろうけど、ややこしいのは全部明日にしよう?」
「…うん」
「おやすみ」
二人でくっついて眠ると、温かかった。
わたしは子供が眠りにつくまで、ゆっくりとその背をなでていた。
揺らぐ陽炎、その先はうたかた
2010/01/19
じりりりりり
ベルを叩く形式の、いかにも目覚まし時計です!と言わんばかりの愛用の時計が朝を告げた。
眠い。
腕の中の何かが、びっくー!と反応して、な、なにやつだ!と叫んだ。
あー、そうだった、そうだった。子供がいたんだ。
ぺしんと目覚まし時計を叩いて止めて、絶賛警戒中の子供を布団の中で抱きしめた。
あったかい。
子供はまた、びくりと震えた。
「ぉはょぅ…」
「だ、だれだ!」
「うーん、眠いぃー」
ぎゅうぎゅうと子供を抱きしめる。
朝は強くはないけど弱くもない。
頭が起きるまでちょっと時間がかかるだけだ。
抱きしめた腕の中で子供がじたばたと暴れたけれど、そのうちわたしが誰か思い出したのか、諦めたのか、おとなしくなった。
「あふん、眠い。おはよう」
欠伸を一つしてから、布団の中に埋もれてわたしの腕の中でもごもごしている子供を、布団から顔を出させる。
もぞりと出てきた顔は、昨日も見た顔で、やっぱり子供だった。
でも、昨日みたいな泣きそうな顔はしていなかった。十全十全。
「起きた?」
聞くと、子供は何か言いたそうに口を開いて、また閉じた。
この子は、もしかしておとなしい子なのだろうか。
言いたい事は、ちゃんと言ったほうがいいと思うのだけれど。
まぁ、今は色々大変だからいいか。
わからないことだらけだと思うし、慣れてもらうことのほうが大事かな。
「どうする、起きる?もうちょっと寝とく?朝ご飯準備するから、まだ寝てても良いよ」
茨でなく、魔性の森
2010/02/09
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