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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

一応作文してみたけどさ

あれこれうにゃうにゃたったかキーボード叩いてたけど、ブランク長すぎてまともに文字打てねぇ!いやまじで!!!
きっと題材も悪かったんだと思うけど、書き足したりいろいろしてたなんかもう…何かを置いときます。
一話書ききれなかったり知り切れトンボだったりマジでわけわからんなんかを置いときます。
前ブログにあげてた続き?のような、補足のようなものを書き足した全文。
間の抜けてるところ補えば、もう中編としてサイトにあげて完結としよう。
この後どうストーリーふくらませたらいいかわからん。

デフォルト玄兎(くろう)

「ならばうぬを我がぬし様とすればなんら問題はないな。如何だ、ぬし様よ」
人の話を聞かないと言うか、自分の道を自分の速度で走りすぎて他者を置いてけぼりにしている目の前の男は。
赤髪海賊団の船長、シャンクスを己が主として決めてしまった。
そう、決めてしまったのだ。
「ぬし様よ、ぬし様が死ねと言えば、海へ飛び込めと言うのなら、我は身を投じるが?」
どうする?と言わんばかりに厭味ったらしく笑う男に、さしもの自由人もため息をついた。
2011/01/23
突然空から降ってきたのは、妙齢の男だった。
黒い髪に顎鬚を蓄え、顔に刻まれた皺はそれなりの威厳を感じさせる。
「何がどうなったのかさっぱりわからん。うぬ等は誰ぞ」
それを聞きたいのは、レッドフォース号乗組員一同である。
目の前の男は急に空から落ちてきて無傷で着地したと思えば、いきなり我が物顔で話し始めた。
正体不明、突然の来訪者に気を許すほど呑気ではない赤髪海賊団の面々は、警戒の色を濃くし己の獲物を手に構える。
「見た所、船の上か。やれ困った。陸地は何処か」
「お前、誰だ?」
「我思う故に我あり。我は我である」
眉間に銃口をあてがわれているのに、まったく動揺を見せない男は中々に修羅場慣れしているとベン・ベックマンは感じた。
一連の経緯は、船の船長であるシャンクスと副船長を担っている自分も見ていた。
男は特におびえた様子もなく、すぐに船首にいるシャンクスを見つけ、他の誰でもないシャンクスにのみ語りかける。
シャンクスがこの船の船長であると見抜いたのだろうか。
あの昼間から酒を飲む自由人を。
目の前で銃口を構えるベンを無視し、シャンクスを見ながら男は話しだした。
「ふむ。どうやら此処はうぬの船らしいな。邪魔をしている」
「なァ、テメェはなにもんだ?話くらいは聞いてやんよ」
「それは有難い。此処は何処だ?船の上は揺れて落ち着かん、何処でもいいから陸に降ろせ」
「残念ながらそりゃ聞けねェな。ここは海のど真ん中だ」
「なんと嘆かわしい事か。それでは里へは戻れんではないか」
大仰に肩を落とす男に、さてどうしたものかとシャンクスは久しぶりに頭を働かせる。
敵意や殺意は感じない、というよりも、一切何も感じさせない男だ。
何も分からない、それが一番恐ろしい。
おそらく、それなりの死線はくぐっているだろう。
死臭もしない男だが、武器を携えた男どもに囲まれても平然としている様子はどう考えても堅気ではない。
特に副船長であるベックマンが銃口を男に向け、男もそれを認識しているにもかかわらず動じた様子がない。
これは厄介な代物が落ちてきた。
船首にいたシャンクスは甲板で胡坐をかいていたのを立ち上がり、覇気を纏い男を見下ろした。
「俺の船にヨウコソ、どこぞの誰かさん」
「我が名は玄兎。ようこそと歓迎されたのならば、無碍に断るのも忍びないものよの」
玄兎は笑みを浮かべ、シャンクスを見上げる。
「もてなしは期待出来ねぇぜ」
「持成しか!これは驚いた、うぬは我が人に見えたか、いや愉快愉快!!」
「我思う故に我あり、暫しの間世話になろうぞ」
2011/01/23
「働かざる者食うべからず、至極真っ当な意見であるな」
「そう思うなら働け」
「否や、働かず。我は食わずとも一向に構わん」
ベックマンは呆れ果てた。
世話になると豪語した通り、この男はまったく働かず、世話になるばかりだった。いや、実際は誰も面倒を見ていないし、世話をしているとも言えないのだけれど。
今日も今日とてごろごろごろごろ。
時折瞑想のような事をしていたりするが、基本何もしていないのがこの玄兎という男だ。
沢山の船員がいる中、一人だけ働かないのでは示しがつかない。
働けと誰が言っても聞かず、ついには副船長であるベックマンをも動かすことになったのだが、それでも玄兎は働かない。
働け、働かない、のやり取りはすでに三日目で、つまり玄兎の断食の日数を表す。
「働くくらいならば、食わぬ方を選ぶ」
そう言いきった玄兎は、生粋の怠け者だった。
業を煮やしたベックマンは、玄兎の飼い主である船長の元へと向かった。
玄兎がシャンクスの下僕であるのは周知の事実、シャンクスがやれといえば、玄兎は一も二もなく従う。
シャンクス以外従うそぶりを見せない玄兎に、舐められている!と怒る仲間もいる。
玄兎は舌が良く回るのでよくそういった文句は煙に巻いているが、納得しない連中も多い。
今後玄兎を真似る阿呆が出てこないとも限らない。
このままでは船全体の空気が悪くなる。
いい加減船長に重い腰をあげてもらわねば。
「なら、根競べだな。あいつも人間だろ?そのうち根を上げるさ」
2012/01/30
「なァ玄兎よ、お前さんは一体何を食って生きてんだ?」
「霞を食って生きておる」
「お前がそんなだと、示しがつかねェって困る連中がいるんだがなァ」
「ふむ、それでぬし様は我にどうせよというのだ?」
船首で海風を受けながら座禅を組む玄兎の後ろからシャンクスが問う。
玄兎と船員たちの我慢比べが始まって、既に一月。
宣言通り玄兎はその間何も口にしていない。
毎日誰かしら玄兎を見張っているが、少なくとも玄兎が何か食べているところを見た船員はいないし、備蓄の食糧にも手をつけられていない。
玄兎は日永一日座禅を組んで瞑想しているか、寝ているか。
シャンクスが玄兎を呼びさえすれば、すぐさまシャンクスのもとへ参じるか。
それ以外、玄兎は船のどこかにいるだけだった。
「根競べといったのはぬし様ではないか。音を上げたのはそちらと思ってよいのかね?」
「あー、そーいうワケじゃねェんだけどな。いい加減なんとかなんねェ?正直俺もお前がここまでするとは思ってなかったわ。すまん」
「なんだ、約束を反故にするというのか。やれやれ、我の苦労は水泡に帰すのだな」
これ見よがしに大きく肩を落とし、ため息をつく玄兎。
その姿にさすがのシャンクスも少し罪悪感を感じる。
「ぬし様よ。我も問うてよいか?我はずっと言うておるが、働くとは何かがわからん。きっと殺しではないのだろう?」
「あー、甲板掃除したり、武器の手入れしたりとか…か?」
最後に疑問符が付くのは、シャンクスも船内の仕事を把握していないからだ。
シャンクス自身は頭ということもあり、雑務は雑務でも種類が違う。
近くでシャンクスと玄兎のやりとりを苛立ちながら見守っていたベックマンに視線をやると、どちらともへ向けた怒気をあらわに言葉を吐き出す。
「内容はこれから教えてやる、来いッ!」
「否や。断る」

「おい、船長もなんか言ってやれ!!!」
「なに、種を明かせば簡単さ。人間そう幾日も断食できるわけなかろうに」
「ぬし様よ。海賊とはかくも暇な稼業なのかね?」
「歌って騒いで飲んで、愉快だろ?」
「自堕落な」
「それをお前が言うか」
シャンクスはあきれ果てた目で玄兎を見るが、玄兎はしれっと酒を飲んでいる。真昼間から。
玄兎はシャンクスが咎めればすぐにでもそれに従うが、シャンクスが何も言わなければ好き勝手する。
元より陽気な海賊団と言う事もあって玄兎を受け入れた。
玄兎も玄兎で住む環境が変わったからと言って、寝る所さえあれば問題ないと言って好き勝手していた。
玄兎は意外な事に、身の回りの事なに一つ出来なかった。
料理にしろ掃除にしろ洗濯にしろ、出来ない。
そのくせ人にはあれはどうだこれはまずくないかと文句だけは人一倍だ。
うすうす感づいてはいたが、玄兎は以前かなりの立場にいたのではないだろうか。
誰かに命じる事に慣れている癖に、誰かに命じられるのも慣れている。
相反するその性質に、ますます玄兎は何者かという謎が深まる。
「玄兎、お前は何者なんだ」
「ふむ、難題だな。我は我以外答えを知らぬ。ぬし様は何を聞きたいのか」
「どこの誰だってことか」
「我は隠れ里で師をしていたな。名前は玄兎。他には?」
「そうだな。ただもんじゃねェだろ。何してた?」
「忍をしていたが、現役ではないな」
「あれか!手裏剣とか消えたりする奴か!!!」
ジェスチャーで手のひらを横に合わせ、シュッシュと手裏剣を投げる動作を行うシャンクスに、玄兎は頷く。
「平たく言えばそう言う事だ」
「現役じゃねぇっつーこたぁ、なんで引退したんだ?」
「なに、単に老いただけさ。いつの時代も老いれば退き、若者に先を委ねる。それだけだ」
つまり、昔は忍びとして働いていたが歳をとったので引退し、師として次世代を育てていた、ということになるのだろう。
シャンクスもあまり忍に詳しいわけではないが、戦乱に身を置くものとしては変わりはないだろう。
殺し殺されが日常と化した世で年老い、引退したという事実にまず驚いた。
つまり、年老いても尚殺されず生き延びたということだ。
引退後の生活の中でも危険はあっただろうに、五体満足で過ごしていることに感嘆する。
余程の強者か、運があったか。はたまた両方なのか。
人生の先輩としては尊敬しよう。
その生きざまはマネしたくもないが。
シャンクスが俺にも寄こせと酒の入った瓶を煽る。
「そんなお前が、どうして俺ンとこに来たのかね」
「それは我が聞きたいな。だがまぁいいさ。ぬし様はよい主だからの」
「お前にも好みがあるのか」
周囲など、それこそ自分が仕える者にさえ興味のなさそうな玄兎の意外な一言に、思わずシャンクスが聞き返した。
玄兎はにやりと笑い、大仰に手を広げる。
「こうして昼間から酒を飲ませてくれる主はそうそういない、喜べぬし様。我はぬし様を最高の主と認めてやろう!」
仕える側のくせに偉そうで、これが本当に自分の下僕なのかと思うと甚だ疑問だが、
それでも、この天上天下唯我独尊男が自分を主だと仰ぐのならば、そうなのだろう。
「ようこそ、レッドフォース号へ。俺が船長のシャンクスだ」
「我は玄兎。ぬし様が望む道具であろう」
2011/03/21
「我はぬし様が殺せというなら殺すし、殺すなといえば殺さず。ぬし様の道具でしかない」
「そこにお前の意思は」
「ないな。道具が意思を持つなど邪魔以外の何物でもないではないか」
「そうか」
「で、如何する。殺すか?」
「いや、お前は待機だ」
「是」
シャンクスと玄兎の眼下では、戦闘が繰り広げられていた。
「ぬし様よ、殺し合いは楽しいか?」
「それなりにな」
「時は移ろうものよの。好きで殺し合うことの出来る時代か」
「お前は、どうだったんだ」
「我は我也。その時の主に従うだけよ」
「殺したか?」
「殺したさ」
銃声と罵声、怒号が響く。
「ぬし様よ、我を人と思うなかれ。それは酷い侮辱である」
「…あァ、わかった」
2011/03/21
玄兎は本人の言う通り、本当の道具だった。
殺せと言われれば速やかに殺す、ただ、それだけだった。
武勇を誇るわけでもなし、褒美をせびるわけもなし。
シャンクスが口を開き、命令を下す。是という言葉だけ残して、玄兎は消える。
時と場合により時間は様々だが、必ず命令を実行してからシャンクスの元に帰ってくる。それ以外の事は何もしない。
逆に言えば、それだけは確実にこなす。
「玄兎は本当に人間じゃねぇみたいだな」
「本当に、ではなく、真実人間ではないと言って欲しいな」
「手前は人間じゃねェ、これが褒め言葉になるとはね」
「我思う故に我あり、我は我にして我也。我は忍よ」
玄兎はレッドフォース号内で正当な位置を手にしていた。シャンクスの懐刀として。
間違っても腕ではない、シャンクスの欠けた腕を補うのはベン・ベックマンだ。
玄兎はあくまで武器でしかない。
シャンクスも玄兎を武器として扱う事に長けてきた。
シャンクスは人情派として有名だったが、全てにおいて人の心でものを考えるわけではない。
道具として扱ってくれと言われれば、それ相応の扱いだってとる。
現に玄兎は道具としてある事が己が生き様としているし、それを否定するのは玄兎の言うとおり侮辱でしかない。
「ぬし様よ、我はぬし様の後ろを唯つき従うのみである」
「なんでお前は、俺なんかを選んじまったんだろうな」
「我思う故に我あり。右も左も判らぬ状況下、生きるためにぬし様を選んだまでよ」
「それで自分の人生を決めるのか」
「所詮賤しい忍風情、誰かに命令されねば生きてはいけぬ」
シャンクスは玄兎を見た。
気配も死臭も生気さえも感じさせない男は、一体何の為に生きているのか。
きっと、我思う故に我あり、と答えるのだろう。
一度、一緒に酒を酌み交わしてみたいと思った。
2011/07/20


あれ、なんか右寄ってない?なんで?
まぁいいや、もう。

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