KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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一つ前にお返事があります。
「カティアは胸たぷたぷ!」
「柔らかいと言いなさい」
「食べちゃいたい!」
「アンタに言われてもねぇ」
本日風呂、女子の日。
「コトリは見事なまでのまな板よね」
「ミリィは酷いな!?自分もぺったn」
「何か言った?」
「ミリィは美人で恐いな!!!」
浴槽の端にもたれてコトリは一緒に入浴しているナースたちを見る。
現在モビー・ディック号に乗船している女性はナースとコトリだけだ。
男所帯で数少ない女性の肉体をじっくりと見る。
柔らかそうだなぁ、おっぱい大きいなぁ、お尻もぷりっとしてて。
思ってから、コトリは自分の体を見てみる。
どこもかしこもぺったんこだ。
「…やっぱり、おっぱい大きい方がいいのかな」
「肩凝るだけよぉ」
「でも、男の人は好きだよね?」
「なに、コトリ好きな男でもできたの!?コトリが!!」
「すきなおとこ…!」
ぼんっとコトリが爆発した。
そのままずるずるとお湯の中に沈んでいく。
あらあらとカティア。
きゃーと叫ぶのがミリー。
そのた目を輝かせたもの多数。
「なになになになに、誰よ、教えなさいよ!」
「ち、ちち、ちがうよ!?コトリはその、あ、えと!!!!!」
「コトリが照れてる!顔真っ赤!初めて見た!!」
「ここ、これはちがくて、わきゃー!!!!」
「白状しなさい」
やけに騒がしかった女湯でした。
2010/10/08
「あう、ナースは恐い」
騒ぎ疲れたのとずっと湯船の中にいたのでのぼせたのもあって、風呂から上がったコトリは甲板でぐったりしていた。
ほてった体に夜の海風は生ぬるかったが、部屋に籠るよりはましだ。
パジャマ代わりのワイシャツとショートパンツであまりうろうろするなと言われているが、それを守ったことはない。
どうせみんな見慣れているんだからいいじゃないか。
コトリにパジャマ姿を見られて恥ずかしいなんて言う殊勝な心があるわけでもなし。
濡れた髪が風に吹かれて乾いていくのがわかる。
「そしてやーらかくていーにおいだ」
「お前はおっさんか」
「エースほどえろくない」
「お前は俺がどエロだといいたいのか!」
どこからか湧いて出たエースがコトリの横に来る。
大方食堂で呑んでいて、部屋に戻る途中で酔いを醒ましに出てきたのだろう。
アルコールがぷんと匂って、火照った体がまたほんの少しだけ温かくなる。
「で、誰の胸が一番デカかった」
「言ったら怒られるからいわなーい」
「じゃあイニシャルだけ!!」
「エース、わかってる。エースはばかでえろだってことはちゃんとコトリ知ってる」
こちらを拝むように手を合わせ頭を下げるエースに、コトリは本気で憐憫の目を向けた。
「…やっぱおっぱいか。おっぱいが大きくてたぷたぷのがいいのか」
「女の乳にゃ夢とロマンがつまっている!そしてそれは揉むためにある!!!」
「よーするに、おっぱいは大きい方がいいってこと!?」
「そうだ!」
断言したエースに、コトリはため息をついた。
そしていつまで経っても成長しない自分の胸に手を当てる。
すかっと何にも触らない、この何もなさ。
「なんだ、お前デカくしてぇの」
「うん」
「無理だろ、お前そもそも胸あんの?」
光の速さでコトリの左ストレート。
ばきっといい音がして、うずくまってエース悶絶。
「たぷたぷのおっぱいかぁ…」
2010/10/08
「つか、なんでお前急に気にしだしたんだよ」
「え、いや、大きい方がやっぱいいかなって」
「理由は?」
「ん、え、えと、ほら、その、大きい方が…!」
コトリが次第に顔を赤くしていく。
夜で元から風呂上がりで赤かったコトリだが、それ以外の理由だというのはエースでもわかった。
わかったからこそ、にやっと口が歪む。
わたわたと慌てるコトリの肩をがしっと組んで、腰をかがめて顔を近づける。
「お前、好きな奴出来たな?」
ひっ、とコトリが小さな悲鳴を上げた。
顔は真っ赤で、首も、露出している箇所が全て赤い。
わかりやすすぎる。
「ち、ちがっ!!」
「そーかそーか、コトリにもよーやっく、春が来たか…」
「だ、だから、ちがくて、そんなんじゃなくて!」
「で、誰だ?」
じたばたともがいてなんとかエースの腕から逃げ出そうとしていたコトリが、観念したかのようにおとなしくなった。
相変わらず顔も身体も真っ赤で、そわそわと落ち着きがないけれど。
「え、とね、そ、の!だ、誰にも言わない!?」
「時と場合による」
「エースには言わない」
ぷいっと目をそらしたコトリは、ぶくしっとくしゃみをした。
そりゃ湯上りに薄着で夜風に当たっていたら体も冷えるだろう。
コトリに風邪をひかせたら保護者がうるさいので、着ていた上着をコトリにかけてやった。
大人しくそれを羽織るあたり、本人も寒かったのだろう。
「ありがと」
「お前が風邪引くなんてありえねぇけどな」
「コトリ風邪引いたことあるもーん」
「なんの自慢にもならん!」
「バカじゃないってことが言いたい!」
「夏風邪はバカが引くんだぜ」
「ふ、冬島の近くだった…!」
ぎゃあぎゃあ雑談して、いい加減眠くなってきたコトリは瞼をこする。
昼夜逆転生活を送っている船員も多い中、早寝早起きなコトリにしては今の時間は遅い。
うっかり長話をしてしまったようだ。
「あふ…コトリもー寝る」
「おう、で、好きな奴誰だ」
「ま、……………………・違うっ!危ないっ!間違えた!」
眠さのあまりうっかりマルコの名を口ずさみそうになって、慌てて目が覚めた。
違う違うと首を振り手を振り、大仰に何かを否定している。
「お、おやすみっ!!」
逃げるように部屋へ帰るコトリを見送りながら、エースは一人甲板に残った。
コトリに上着をかけてやったせいで少し肌寒いけれど、まだ酒が残っているのでほんの少しだけ温かい。
「ま…ねぇ。んなの、一人しかいねェじゃんか」
2010/12/02
本日更新分の原型。
こっちも気に入ってたんだけど、なんでか書き直した。
…なんでだろう?
2話はずっと前ブログにものっけたけど、最後の話は新しい。
こっちと差し替えようか悩むけど、たぶん現状でいく。
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