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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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お子さま行進曲 子時代編その2


 

 

 

「琴里、これからどうしよう…」

 

ぽつりと呟いた琴里の言葉に、エドワードは決めた。

 

「お前、コトリ」

「あい」

「覚悟はあるか」

「なんのかくご?」

 

海賊とは、賊だ。
人から忌嫌われ、常に戦いに身を窶す。
殺し殺され、命の奪い合いが日常となる。
宝の強奪、人の恨み。
海軍から追われ、捕まれば待っているのは処刑。
その先に待っているのは、仲間との航海、財宝。
失うものの方が圧倒的に多い。

 

「海賊になる覚悟だ」

「かいぞくって、なぁに?」

「人から嫌われ、殺し殺され、追われ、仲間の為に命を捨てる奴らのことだ」

「忍もね、きらわれてるよ。ころすよ、ころされるよ。かくれてるから追われないけど、みんなひっとーのために死んでくよ」

 

琴里は幼いころから忍の里で、城に来てからは長ずっと言い続けられてきたことを思い出す。
忍とは道具だ、使い捨てで、主の命令には絶対で、秘密を守るために自ら死ぬことを厭うてはならない。
感情など余計なものは捨ててしまえ、道具だ、道具なのだ。
ただひたすら、道具として忠実に仕えてればいい。
死ぬことを恐れるな、恐れなど必要ない。
ただ命尽きるその日まで、働いていればそれでいい。
その代わり、存在意義が与えられる。
なにもない琴里の証明になる。それを誇れ。
己は道具として、一級品なのだと。

 

「琴里はね、人じゃなくて忍だよ。忍はね、どうぐなの」

「まだまだ琴里ちっちゃいけど、長によくおこられるけど、半人前だけど、忍だけど」

「琴里も、かいぞくになれますか」

 

 

 


2010/09/17

 

 

 

 

 


エドワードは、琴里を認めた。
仕方がないからその道を選んだのではなく、自らしっかりとした意志を持って海賊になると決めた子供を。
自らの息子とするに値すると認めた。

 

「コトリ、今日からお前は俺の息子だ」

「にゅ?琴里、かいぞくじゃないの?」

「いいかよく聞け。この船はモビー・ディック号っつー名前だ。んで、この船の連中はな、白ひげ海賊団っつー海賊なんだ」

「あい」

「その頭がこの俺、白ひげことエドワード・ニューゲートだ。俺は部下はみんな自分の家族だと思ってる」

「かぞく…」

「コトリも白ひげ海賊団の一員になるっつーんなら、お前も今日から俺の家族、息子だ」

 

琴里はぱっと眼を輝かせた。

 

「みんなかぞく?」

「そうだ。兄貴が一度に沢山出来たな」

「あの人も、あの人もみんなあにき?」

「そうだ。俺は親父だ」

「琴里のあにきとおやじ…琴里のかぞく…」

 

 

 

短いけど第二話終了。
2010/09/17

 

 

 

 


琴里はその日から白ひげ海賊団の一員となった。
一部隊長や船員の中には琴里という存在をいぶかしがる者もいたが、ほとんどの船員は敬愛する親父が認めたことにより琴里を仲間と認めていた。

 

「琴里です、よろしくおおねがいします!」

 

 

2010/09/17

 

 

煮詰めた結果、エース入団前っつーことになりました。
エース主人公両方の子時代書きます。
最終的にエース19歳、主人公15歳くらいに落ち着く予定。
しかしメインはマルコと親父殿。
エースは噛ませ犬!

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