KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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魔女っ子inBASARA
「あのですね、弁解をさせてください」
ピンチです。
不肖魔女っ子わたくし、ピンチです。
「黙れ下郎!貴様のような怪しい者、即刻打ち首にしてやろうぞ!」
繰り返します、えぇ、何度だって繰り返しましょう。
ピンチです。
事の発端は、えぇもう本当に。一切合切わたくしの不手際によるものです。
最近戦国ブームだよなー、当時の武将って本当にイケメンだったのかなー、チビとか噂もあるよなー、よしちょっと見に行こう!って思ってやってきたらこのザマです。
もうちょっと詳細に語るとすれば、いつものように魔女帽子とマントとセーラー服で魔女っ子ステッキ持ってしゃららーんと華麗に登場したと思ったら、設定ミスで城主の真上に落ちてしまってすぐにひっ捕えられたことでしょうか。
生まれて初めて突き付けられた刃物にビビるほかありませんで、あっというまにどったんぐしゃぐき、抑えつけられ腕をひねり上げられ縄で縛りあげられ痛いのなんの。
魔法使う間もなくあっという間に牢屋ですよ、牢屋。
石造りだから冷たいし、地下だから寒いし、なんか雰囲気的に正座しないとまずい雰囲気だから正座してるから足しびれてきたし、帽子とマントとられたし…。
はっはー、自業自得過ぎて笑うしかありませんね。
城主の真上に落ちて無事でいられたとか、お前気に行った!とか言われるのはご都合主義だけですよ、リアルって嫌ですねー。まったく。
まぁあちらさんも命狙われる日常ですから当然っちゃ当然ですが、わたくしのようなか弱い女の子にはもうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃありません?まったく。
こっちは落下したときたぶんパンチラしてんですよ、乙女のパンチラの対価がこれですか、この時代は衆道ですか。こっちはセーラー服着たかわい子ちゃんですよ、まったく!
「いやいざとなれば魔法でちょちょいのちょいなんですけどね?こう滅多にあるシチュエーションでもなし、てゆーか自ら危険な目にあうなんてやりたかないですし、今後わたくしがミスでも仕出かさない限りこのような危機的状況に陥ることもないのでせっかくの危機的体験を満喫しようと思っているのですよ、はい。とゆーわけでひとまず交渉のテーブルに着かせていただけません?心配だっただ刀突き付けたままで結構ですし、もっと心配なら声だけでもかまいません。相手の表情をうかがえないとなると意思疎通が若干難しくなりがちですが、まぁ大丈夫でしょう。こちらの言い分を伝えられればそれでいいです。もちろん伝えるというのはここの城主さんにです。間違っても貴方じゃありませんよ、あなたさっきからまともにわたくしの言うこと聞いてくれないじゃありませんか。聞いてくださるというのなら貴方でもかまいませんけどね、きちんと城主さんに伝えてくださいよ、わたくし最終的に誤解を解いてここを出ていくこと目標としておりますので。もちろんお騒がせしてしまったからにはきちんと相応のお礼をしますよ、なんたってわたくし魔女っ子ですから。魔女っ子というのは人の願いを叶えてなんぼです、って、この時代まだ魔女っていう概念がなかったんでしたっけ。じゃあなんていうんでしょうね、わたくし語彙力と知識が不足しておりましてなんていうのかわかりませんすみません。近いものは妖術とかそういうのですか?いえ、ニュアンス的に近いだけであってぜんぜん別物なんですけどね、ひとまずはそんな感じです。あ、でもわたくし別に妖怪ではないですよ、いたって普通な女の子です」
「はいはい、わかったから一回黙ってくれない?」
「あら、別の方ですねこんにちは」
「はい、こんにちはー。ってことで、俺があんたの取り調べするから」
牢屋の前に立ってたのは、なんだかまぁ時代錯誤したたぶん忍者でしょうねぇ。
いつの間にかさっきの煩い人はおとなしくなってました。
迷彩服の派手頭の忍者っぽい服…おそらく主要キャラ。
あ、そういえば牢屋って本当に格子なんですよ、ちょっと感動。
てゆか、わたくしの失敗にもう一つ追加。
リアル戦国時代じゃなくて、パラレル戦国時代ですね、ここ。
はーぁ、今回場所と言い時代設定と言いミスしまくりじゃないですか、一応優等生だったのに、ちょっとへこみます。
パラレルワールドじゃ実際の武将がイケメンだったのか不細工だったのかわからないじゃないですかー。
パラレルワールドじゃどうせメインキャライケメンに決まってます、くそー。でも目の保養だからよし。
…足しびれた。
「つまり、騒がせた礼に願い事を一つ叶えて去る、と」
「おーいぇー、理解力ある方で大変助かります」
「んな馬鹿な。そんな荒唐無稽な話信じろって?」
「疑惑のテンプレ展開ですね。ですが信じてもらいます」
伊達に人前で魔女っ子って名乗ることに躊躇いがなくなったわけではないんですよ。
現代社会で魔女っ子と名乗れば怪しまれ頭おかしい人扱いされ素直に信じてくれる人が限りなく少なかった自称魔女っ子。
そんな荒波を乗り越え魔女っ子を堂々名乗るまで至ったわたくしです。この程度の疑惑のテンプレ、どうとでもなります。
「だってわたくし魔女っ子ですもの、どんな無理だって通して見せます」
2013/04/29
その後無事佐助を半分信じさせ、縄で手を拘束された状態でお館様にお目通りすることができました。
イケメン世界を想像してたので、思ってたよりおっさんだなーとか思ってたらその横にいる真田幸村君に目が。
魔女っ子好みの元気ワンコ系ショタ。こっちに目がきらりと輝きます。
なんやかんやへらへらしたり時折魔法を見せたりして佐助の目つきでハンズフリー化に成功。
お館様は敵意なしと知ってもらえたからよし、懐柔するべき真田を集中的にかまってかまってかまって従順な犬にしてふれあいたい魔女っ子。けどそうさせてくれない佐助。
いつしか夕暮れになって魔女っ子そろそろ帰るか、ってなときに、毎度恒例「願い事を叶えてあげる」タイム。
当然お館様は「上洛」ゆっきー「それについてく」佐助「平和が欲しい」
「そんなお二人にこれをどうぞ」
「なんでござるか?」
「して、その黒い箱は…」
「戦国ゲームと現実同期させてさくっと天下統一しちゃいましょー、どんどんどんぱふぱふー」
そんなわけで、BASARAキャラにBASARAをやらせるという荒技にしました魔女っ子。
現実同期なので、選んだステージごとに実際バトルあり。けど難易度ノーマルだからクリアするのはたぶんすぐ。
そんなわけでさくさく天下統一しましたとさ、めでたしめでたし。
「これでいいの!?」
「願い事叶えたのでさよーならー」
「え、ちょ!!」
そんな魔女っ子でした。
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