忍者ブログ

KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

イヴ

久々に魔女。物語はIb。
Ibやりました。幼女って設定はずるい。
でも、ギャリイヴって感じはしなかった、ギャリーはただ単に庇護者としてイヴを大事にしてるだけっぽく見えたなぁ。
無論わたしは主人公よりメアリーメアリー。
EDとしては、ひとりぼっちルートがホラーっぽくて好きです。
偽物ギャリーが出てくるパターンが好み。

そんなわけで、哀れな絵画に魔女の救済を。






「よいしょっと」

「なに、それ」

「これは絵画ですよ、アンク」

「かいが?絵だよね?」

「そう、絵のことです。新しいこの部屋の住人ですよ」

「ふぅん」

 

白い壁紙、東向きの大きな窓には淡いピンクの可愛らしい遮光カーテンとレースのカーテン。
部屋の真ん中にはアンティーク調の木のテーブルとイス二脚。
テーブルの上にはマイセンの緑色の花瓶。花瓶には赤い薔薇・黄いろい薔薇・青い薔薇。
そしてドアから入って目の前の壁には、緑のワンピースをまとった金髪碧眼の美しい少女の絵画。
額縁は派手ではないが、その分少女の美しさを引き立て、絵を守るためのガラスははめられていない。

小ぢんまりした白い部屋に、大きな窓から光が入る。
風が淡いピンクと白いカーテンをなびかせ、部屋の流れを作る。
中央に置かれた木のテーブルとイスが温もりを演出し、赤と黄と青の薔薇がにぎやかにする。
部屋の住人である絵画の少女が主となり、部屋を彩る。

完成された部屋を見て、アキラは満足そうにしている。
赤い鳥の姿のアンクはアキラの肩にいながら部屋とアキラを見比べ、アキラに尋ねた。

 

「これはあの絵の部屋なの?」

「そうです、メアリーというんですよ」

「メアリー」

 

メアリーと呼ばれた絵画の少女を見る。
確かによく描かれているなとは思うけれど、アンクはよくわからない。
アキラが良いというのなら、良いものなのだろう。

 

「もしメアリーを見かけたら、一緒に遊んであげてくださいね」

「絵とどうやって遊ぶの?」

「ふふ、その時になったらわかりますよ。偶にはここでお菓子を食べましょうね」

「うん!僕、お菓子食べるの好き!」

 

赤い鳥の羽毛を撫でられて気持ちがいい。
アンクはアキラの頬に羽毛の身体を押し付け、お返しと言わんばかりに撫でているつもりになる。

 

「ただし、火を使ってはいけませんよ。火は絶対にだめです」

「火はダメ」

「そう、何があっても、この部屋で、メアリーの前で火を使ってはいけません」

「わかった、火は使わない」

「いい子。さ、ダイニングに行きましょうか、刃墨がお菓子を作って待っています」

「うん!」

 

ぱたりと木製のドアが閉じられ、部屋に残された絵画の少女メアリーは静かに佇んでいた。

 

 

 

2012/07/08


時間不足で描写できませんでしたが、メアリーのためにスケッチブックとクレヨン。かわいらしいぬいぐるみやお菓子も彼女のために部屋に置かれてます。
なんとなく部屋が気になるアンク(ロスト・赤い鳥姿)が部屋へ通うようになり、少しずつ姿をあらわすようになったメアリーといい遊び友達になるんじゃないかなと。
このメアリーは最後ギャリーとイヴがメアリーの飾ってある部屋までたどり着いて、発狂したあたりのメアリーです。魔女が悲劇を予測して暴れるメアリーの眼を手でふさいで絵を消し去ります(自宅へワープさせただけ)

「さぁ、帰りなさい。ゲルテナに呼ばれた子供たち」
「あん、アンタは…」
「魔女です。今なら扉が開いてます、早く」
「い、行くわよ、イヴ!」

走り去るギャリイヴの背を見送りながら、魔女は捕獲したメアリーを部屋へ飾るために自宅へ帰ります。
発狂気味なメアリーをなだめてなだめて、なんとか所有することを許された魔女でした。(それから部屋に飾った)
それから魔女の家では幻の少女が現れるようになったとか。

(あそこで燃やす以外の選択肢がないことがかなしかったです。おそらくそれが作者の意図するものであったとしても)

拍手

PR

comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]