KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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今日のコナンの映画のスタッフロールで、ちゃんとうちの大学名が明記されていてなんだか嬉しかったです。
ネウロの20巻をどっかにやったらしく、現在捜索中。
以下、BASARA連載。
昨日の続き。
主人公が絶賛情緒不安定中。
そりゃ栄養失調から睡眠不足からストレスやらで、これで無事だったらどんだけ神経太いんだっつー話だわな(笑
いよいよ明日、出陣という日の夜。
夜半だというのに城はばたばたと慌ただしかった。
珍しいと思いつつも、私は天井を見て小太郎が帰ってこないか待つだけだ。
ぼんやりとしていたら、外の喧騒が聞こえてきた。
敵大将が、暗殺された
敵将が討たれた
総大将を失って、敵は混乱状態だ
ばっと、窓の外に体を乗り出した。
敵将が…死んだ。
殺された……。
それが意味することは。
「こたっ…小太郎!!」
叫んだ。
小太郎が、やってくれた。
私のために、人を、殺した。
言いようのない罪悪感と、これで他の人が助かったと思う安堵感。
次の瞬間、小太郎の安否が気になった。
それで、小太郎は?
まだ、戻ってきていない。
お願い、早く戻ってきて、小太郎。
小太郎、小太郎。
「…こた?」
ふと、振り向いたら、
「こたろっ!!」
小太郎が、帰ってきていた。
もつれる足で立ち上がって、駆け寄るというほどの距離でもないけど、駆け寄って、そのまま抱きついた。
「こた、こた!お帰りなさい、おかえりっ!!」
「……………………」
大丈夫?どこも怪我してない?
尋ねると、小太郎はいつも通り無言で首を縦に振る。
それは怪我をしていないという意思表示だったのだが、どうにも心配で私は小太郎の身体検査を始めた。
半分仮面っぽい冑っぽいもので隠されているけど、顔は無事。
体は無事?
痛いところとかない?
…あ、服、破けてる!血が、血が…!
「こた、怪我してる!ごめんねごめんね、すぐ治したげるからね!!」
唯一向こうの世界から持ってこれた、一ヶ月分の荷物が入った大きなカバン。
旅に出る瞬間だったから、万が一の時のために救急セットが入ってるはず。
あった!うん、何でも入ってる。
「大丈夫、大丈夫?ごめんね、私が、私がこたに言ったから」
「………………啓は、悪くない……」
「ごめんね、ごめんね。痛かったよね」
「…この程度、傷のうちに入らぬ」
傷口を綺麗にして、消毒する。
ちょっと沁みるね、と言おうと思ったら、それはいい、って言われた。
ごめんね、そうだよね、沁みるのは嫌だよね。
じゃあ、水で綺麗にするだけしとこ?
ごめんね、ぱっくり切れてる。
痛いよね、痛かったよね。
「縫う?」
「…己でやる」
小太郎が自分でささっとやったから、私は傷口にガーゼを当てて包帯を巻くだけだった。
ごめんね、ごめんね。
「ごめんね、ごめんね、謝っても、謝りきれない…」
「…なぜ。……啓は、悪くない……」
「だって、小太郎が怪我したじゃない!!」
それに、人を殺させるなんて嫌な仕事を押し付けた!
あぁ、私は、小太郎になんてことをさせてしまったのだろう。
「ごめん、ごめん…本当に、ごめんなさい」
「…啓、俺は、忍だ……。忍とは、そういうものだ………」
「でもっ!!こた、嫌だったでしょ!?辛いでしょ!!」
人を殺したんだ、怪我したんだ、嫌にきまってる!
しかも、遠いところまで行ってきたし。
嫌なことばっかりさせてる。
だって、このお城でもいつも天井にいるし、こそこそしてなきゃいけないし。
どうしよう、ごめん小太郎。
私、小太郎に辛い思いばかりさせてる。
「……啓、泣くな」
「だって、小太郎、ごめん、なさっ…」
「………俺は、忍だ。殺すことは日常茶飯事、啓が気に病むことはない……」
「でもっ!!」
「……それに、俺は啓に全てを捧げた。啓が望むのなら、俺はどんな事も厭わない…」
「そんなわけ、ないじゃない…。辛いに、決まってる」
「啓」
小太郎が、いきなり私の名を呼んだ。
「我は忍」
「主は啓」
「我は啓の望むが儘に」
…馬鹿。
辛かったら、つらいって。
嫌だったら、いやだって。
「ちゃんと、言いなさいよね」
小太郎はこっくりと頷いて、そして私の涙を拭ってくれた。
(支離滅裂滅茶苦茶でごめんなさい。とりあえずプロットという事で)
2009/04/17
「え…?」
「総大将は討たれた。だが、残党狩りがまだ残ってる」
うそ、小太郎がやってくれたのに、行かなきゃいけないの?
え、だって、敵の偉い人は死んだんだよ?
もう、行く必要なくない?
伊達は、予定を変えず、明日、戦場に出かけるらしい。
うそ、だって…!
「そ、んな」
「安心しろ。敵兵を鎮めるだけだ、危険もすくねぇ」
「だ、だって、だって」
「頭をなくした雑兵はpanicだ。俺が行って、鎮める。そして、そのままその地を奥州の領地にする」
「は…い」
せっかく、小太郎が頑張ってくれたのに、どうして行っちゃうの?
ううん、仕方がないじゃない。
だって、伊達は偉い人なんだから。
この城と、この奥州の、主なんだから。
「予定は変わらず、明日、経つ」
「どうか、ご無事で…」
戦争なんて、なくなってしまえばいいのに。
2009/04/17
「行ってしまった」
「……………………啓……」
「ううん、いいの。こたはもう十分働いてくれたもの」
今回、小太郎は行かせていない。
だって、これ以上、小太郎に人を殺してほしくない。
それに、傍にいてほしいから。
一人で小太郎を待ってるとき、信じられないくらい心細かった。
「大丈夫だって、信じてる。伊達は強いし、片倉さんも強い。成実も、あれで武を扱う伊達の名将だもの」
「……………………………………」
「それでも、不安だよ、こたろうっ!!」
啓は、やつれた、と思う。
俺が、行っている間に。
飯は食っていたのだろうか。
眠っていないことは、目元の隈と神経の衰弱具合から想像できた。
啓は、よほど幸せな場所で暮らしてきたのだろう。
忍が何たるかを知らない。
暗殺が仕事、人殺しが日常、過酷が常。
それを可哀想だと嘆く。
辛いからやめろ、嫌なら投げ出せ。
憐れみは時として侮辱だ。
仕事を誇りに思う、忍への酷い侮辱だ。
啓の純粋たる願いが、誇りを蹂躙する。
けれども、その純朴たる涙を守りたいとも思う。
「どうして、どうして人は争うの。争いなら、せめて命を賭けないで。傷つけないで」
これが、戦国乱世なの。
これが、日常としてどこかで行われているの。
慣れるしか、ないの…?
「どうか、みんなが無事でありますように」
けれども、無血の玉座はあり得ない。
2009/04/17
ラスト、風魔視点を織り交ぜてみました。
一方的な否定は、必ずどこかを傷つけるという事で。
憐れみも、時と場合により死者に鞭打つ苛烈に。
戦編はこれにてひとまず終了、のつもり。
明日あたり、伊達らの帰還のお話かな。
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