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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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たえられないよ…。

パソコン修理に出して5月中旬に返ってくる予定です。
ゴールデンウイークさえなければ1週間ですむのに…!しかしゴールデンウイークは久々の長期休みだから欲しい!ジレンマ…!

そんなわけで、また携帯ヌクモリティなマギ魔女。
※12巻ネタを含んでます





「アキラはあれを許すのですか」
「許すもなにも、国のためでしょう?」

決して視線を合わせることなく、落ち着いた声音でアキラは返事をした。
アレがなにを指すのかいわれなくてもわかる。ジャーファルが何を言いたいのかも。

アキラの夫、シンドバッドの行為だ。
もとより女好きで、酒におぼれ何度も失態を犯している。
それはまだいい。結婚する前からわかっていた話だ。
幸いにもまだ未遂に終わっているが、彼が幾度女性と仲むつまじくしているのを見たことか。
けれどそれは一時の話しで、浮気とかそういうレベルではない。
女性が好きで、女癖が悪くて、女遊びが好きなんだなというレベルだ(それかなり悪くないですか)(そうですね、思いなおせばこれは酷い)
必ずアキラのもとへと帰ってくるし、遊びだとわかっているのでアキラも笑って許す。

今回は。
今回は、違う次元の話だ。
使えるものはすべて使う。
国のために、民のために、未来のための下準備だ。
貪欲に求めることのなにが悪い。なにも悪くない。

シンドバッドは煌帝国の姫が自身に淡い思いを抱いているのを逆手に取り、自国シンドリアに引き込もうとしている。
先日捕縛したムスタシム王国の姫にを利用しようとしている。
国のために、民のために、近い未来必ず起こるであろう、戦のために。

厳密にいえば女性だけでなくアリババやアラジンなども引き込もうとしているのだが、露骨さがにじんでいるのはやはり女性だ。
シンドバッドは己が異性にどう見えるのか、どういう行動を取れば好意を向けられるのかを理解している。
だからこそ、彼は女性に困らない、酔った勢いで言い寄られても断る女性がいないのだ。

「これは貴女が嫌う、人を陥れる行為ではないのですか?」

ジャーファルが問う。
魔女はただ、冷静に答えるだけだ。

「王が国を守るために全力を尽くすのは当然でしょう?」
「それはこの国の宰相としての貴女の意見でしょう。シンの妻としての貴女は、夫の行為をどう受け止めるのですか」

「わたくしは王の妻です。王が国のためにあるのなら、王妃もまた国を思うためにあるのですよ」

魔女がようやくジャーファルと視線を合わせれば、ジャーファルは渋い顔をしていた。

「変わりましたね、アキラ」
「わたくしは、この国も民もあなた達も…シンも喪いたくないだけです」

今度こそ。
心の中でつぶやいた言葉は、ジャーファルに届かない。

「国のために誰が犠牲になってもかまわない、と」
「その犠牲をより少なくするのが役目だと思ってます」

常に人に優しくあったアキラは、どこにいってしまったのか。
ジャーファルは会釈をして部屋を出た。






わたしがマギ魔女編大フィーバーするにあたった12巻ネタでした(^O^)!!
書けたらこの後の夫婦話(イスナーン戦後)も書きたいし、王さまサイドも書きたい。
ここら辺魔女サイドの下僕アニマル組がいまいちシンドバッドを好きになれない理由である。王というだけで魔女はもう世界のどこにもいない彼のことを思い出して悲しそうにするので、王であるシンドバッドと一緒になることを望まなかった。
現にこうして優しかった魔女は変わってしまったので、下僕はことさら王さまが嫌いです。

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