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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

捏ね続けてもちになった黒尾くんのお話

ずっと書きたい言ってた黒尾くんのお話がようやく固まってきたので書いてみた文章乗っけておきます。簡単に言うと友達じゃなくなるのが怖い話。いつも通りのギャグで、いつもよりは甘め。というか普通の夢小説レベルの甘さになればいいな!



黒尾くんのお話
デフォルト:桐崎 啓(きりさき あきら)



高校の入学式、頭一つ分ぽこんと飛び出た身長が印象的だった。
更に入学式でその高身長が斜め前に着席したものだから、暇つぶしに観察する。高身長をさらに強調するようなトサカヘアー。最初はしゃきんと伸びていた背中も、校長先生のあいさつ、在校生の言葉、PTAからのお祝いと続くうちに、だんだん丸くなってく。わかる、眠い。長い。なんて知らない背中に勝手に語りかけてなんとか睡魔と戦っているうちに、式は終わった。
在校生の拍手で体育館を後にし、教室までトサカの後ろをついて歩く。これからの高校生活に浮かれすぎて、教室までの道順を覚えなかったのは失敗だった。ついでに、中学の友達とクラスがわかれたのも痛すぎる。やばい、友達出来るかな。
教室に戻って、再び着席。こんなに座ってばっかりだとお尻が平らになりそうだなとか、友達出来るかなとか、授業ってやっぱり難しいのかなとか、これからの生活に期待と不安で胸を膨らませる。

「隣、いーデスカ」

なんて話しかけてきたのは、散々目にしたトサカくんだった。
正面から見ると、トサカの似合うイケてるメンズ。どうやら席が隣らしい。

「どうぞどうぞ。お隣りですか?これから宜しくお願いします」
「これはご丁寧に。黒尾鉄朗と申します、これから宜しくな」
「桐崎啓です。宜しくね、黒尾くん」

お互いにこりと笑って挨拶。
高校生活、スタートは順調っぽい。



*


お昼の後の授業は、どうしたって眠い。
みんなどうやって耐えてるのかなと教室を見渡せば、睡魔に敗北している人がちらほらいた。これは私も仮眠をとってもいーんじゃない?ノートは友達に見せてもらおう、と友達に視線を送ると、頭がふらふらと揺れていた。別の友達も、黒板に文字が書かれていくのに微動だにしない。これは確実に寝ている。どうしようと隣に目をやると、頬杖をついて今にも眠りそうな、でもまだギリギリ起きている黒尾くんがいた。

ペンケースの中にあったメモ用紙を1枚、文字を書いて黒尾くんに渡す。
一瞬驚いた顔をしたのは、寝落ちる寸前だったのかもしれない。

『起きてる?』
『やべー眠い』

肘をシャーペンで突っつかれて、手紙を返却される。
私の字の下に、男の子らしい少し雑な字が追加されていてなんだか嬉しい。
更にその下に字を追加して、黒尾くんに回す。

『ノート取ってる?』
『ギリ読める文字って感じ』
『あと25分耐えられそう?』
『この手紙のおかげでちょっとは目が覚めた』
『よかった、おやすみ』

手紙に目を通した黒尾くんが勢いよくこちらを見た。
私はへらりと手を振ってから、ノートを取ってますよというポーズを決めて目を閉じた。つんつんと横から妨害が入るも、もう目は開けない。チャイムが鳴るまでどれだけ寝れるかな、と意識を手放した。

「ちょっと酷いんじゃないですかー」

休み時間に入るなり、黒尾くんから抗議を受けた。うとうとしただけだったけど、すっきりした頭で黒尾くんを見る。呆れたような表情だったので、愛嬌たっぷりで用意していたセリフを言った。

「え、ノート貸してくれるの?ありがとー!さすが黒尾くん、やさしー!!」
「いやいやいやいや、そんなこと一言も言ってねーし!つか、人にノート取らせて自分は寝るって横暴じゃないですかね?そこんとこどう思います、桐崎サン?」
「ツケといてください」
「トイチでいいなら」
「ひどい!」
「いやどっちが!!」

なんて、笑いあうのが日常になった。いつのまにかスマホのアドレスを交換して、なんてことのない日常の写メを送りあったり、くだらないこと喋ったり、ドラマの感想を言いあったり、たまに電話もしたり。とても仲のいい友達になった。
呼び方も黒尾くんから黒尾へ、桐崎さんから桐崎へと他人行儀が抜けてフレンドリーさが増した。フレンドリー、そう友達。
私と黒尾は仲のいい友達だ。
周りからは仲がいいとか、付き合ってるとか、色々言われるけど友達。


*
ひとまずここまで。もう少し続く予定だけど、大体ここまでがプロローグ。この後は黒尾くんのターンで黒尾くんが頑張るお話になったらいいなー!!!!
以下は断片的に書いた短編。こんな雰囲気になったらいいなー!!!!



特に理由はない。たまたま時間が合ったから、雨の日に黒尾と一緒に帰ろうと思っただけ。それだけ。

「黒尾ー、桐崎さん待ってんぞー」
「ウッソ、なんでいんの」

驚く黒尾に、いえーいとピースをしてみた。
夜久くんがなぜだか舌打ちしたので、よしよしと頭を撫でようとしたら蹴られた。ひどい。

「朝、傘持ってないって言ってたから迎えに来た」
「…桐崎って黒尾の彼氏なの?」
「そう見える?」
「俺の彼氏ヤバイケメン…」

外で雨が降りしきる中、ケラケラ笑うバレー部員に早く着替えてきて、と背中を押す。
私の所属する陸上部は、雨のせいでグラウンドが使えず、体育館の隅っこで筋トレだけして今日の部活動は終了。その後部室でワイワイ喋っていたら、結局いつも通りの時間になっていた。
雨ダルいよねー、なんて帰り際、ふと教室での黒尾との会話を思い出す。

『雨とか聞いてないんですケド』
『天気予報の降水確率70%って意味わかる?』
『朝練でニュース見る暇とかねーし』
『なんだったら昨日から予報されてましたね』
『マジか。傘ねーわ、置き傘もこないだパクられたわ』

帰りまでに止んでくれよー、なんて空に祈る黒尾。その後もしとしと降り続く雨に、まだ部活後までわかんねーし!と無駄に強がっていた。
バレー部は体育館だから、天気に関係なく部活がある。私は部活が早く終わったらそのまま帰ろうと思っていたものの、気づけばこんな時間。
結局この雨は止まず、どうせ黒尾とは帰り道も一緒だし、私は傘を持っているし、一緒に帰ればいいじゃんと黒尾を待っていたのだ。

「つーわけで、俺、桐崎と帰るから」

お先、とバレー部の面々と挨拶する黒尾を待ってから歩き出す。
黒尾は持っていた傘を私の手から奪うと、傘を開いて入れと促してきた。その一連の動作に驚く。

「なんスか」
「いや、いっつも私が傘さす側だから、ちょっと驚いた」

友達と相合傘をしたりするときは、いつも私が傘を持っていた。
女子の平均身長より10センチほど高いので、男役か女役か問われれば間違いなく男役になる。特に傘なんて他の子に持たせれば頭が窮屈で仕方がない。自然と「傘持つよ」の言葉が口から出るのが常だった。
隣を見れば、ニヤッと笑う黒尾の顔がある。

「先にカッコイーとこ見せられたから、今度は俺の番」
「彼氏か」
「そう見える?」
「どうだか」

彼氏、その言葉にとてもドキドキしながら、いつもの言葉を心の中で唱える。黒尾は友達、黒尾は友達。彼氏なんて不安定なものにならなくていい。短い高校生活、楽しく笑いあう友達。それでいい。黒尾は友達、黒尾は親友。
自分に言い聞かせながら、黒尾の持つ傘に入る。教室以外でこんなに近づくのは初めてかもしれない。ドキドキと浮かれだしそうな心を隠すように、深く息を吐く。行くか、と黒尾が歩きだしたので、一緒になって雨の中に一歩踏み出す。ぱしゃんと小さく泥が跳ねて、ぱらぱらと傘に雨があたった。

濡れてねぇ?
へーき。黒尾は?
傘ちっせーから、しゃーないっしょ
タオルいる?
あるからヘーキ
駅まで走るつもりだった?
それか、誰かの傘はいるつもりだった
バレー部の?
バレー部の
男二人とか、絶対はみ出すじゃん
な。しかも狭いから出てけとか追い出される

とりとめもない会話をしながら、雨の中二人で歩く。
しとしとと雨音がうるさいはずなのに、傘の中がとても静かに感じるのはなぜだろう。いつの間にか止まった会話。雨音が早く何か話せと急かしている気がする。

「なんかさ、カサの中ってちょっと特別な感じしない?」
「え、なにそれどーゆー意味?」
「こうさ、カサの外の世界では雨降ってるけど、カサの内側は濡れないじゃん?世界の内と外で別れてて、自分だけの空間、みたいな」

ちょっとポエミーかな、なんて黒尾の返事を待っていると、予想外に「なんかわかる」って返ってきた。

「外がうるさいから、余計静かに感じて世界に一人感あるよな」
「今は二人だけどね」
「俺とじゃイヤですか?」
「黒尾となら、世界に二人きりでもいーかも」
「桐崎めっちゃ俺のこと好きじゃん」
「じゃなかったら、わざわざ待ってないし」

少しの沈黙の後、濡れるからもっと近づきマセンカ、ともにょもにょ言われたので、私もとても小さな声で頷いて、半歩だけ近寄った。
ねぇ、黒尾。私たちって友達だよね?



2019.03.27

陸上部ちゃん:身長167のボイン
やっくんより身長↑、研磨くんと同じくらい。部活の時だけポニテ。その時見えるうなじの色香がすごいとか。あと、陸上のユニフォームがエロいと一部男子の間で人気。
陸上部は割とゆるゆる系の部活。男女混合。一応大会とか出るけど、結果はそこそこ。活動日は月水金。試合前とかはたまに朝練。たまに土曜。夏休みは午前中のみ(熱中症防止の為) 夢主は短距離メイン。緊張するから試合には人を呼びたくない派。部活の時はスポブラに付け替えないと走れない程度の巨乳。

黒尾くんとは1,2年同じクラスで3年だけ別。ずっと親友やってたらいつの間にか好きになったけど、どう動いたらいいかわからないし、下手にぎくしゃくするよりかは現状維持希望。「黒尾は友達、黒尾は友達」って自分に言い聞かせてる。友達だからこそ距離が近いというのもある。
異性である黒尾くんと仲良しこよしな為、周囲から付き合ってると認識されている。でも、聞かれたら「付き合ってない」と答えてる。じゃあ好きなの?って言われたら、照れながら好きっていう。
告白されることはままあるので、彼氏という現実に浮かれて誰かと付き合ってみてもいい。それで、やっぱりこの人違うなってなって別れてから黒尾くん好きなのを自覚するとか。でもそれやるとクソ面倒な上長くなりそうだから裏話ということで。

黒尾くん
親友やってた女の子を好きになった。けど、今までの距離が近すぎたせいで周囲では付き合ってることになってるし、じゃあこのままでいいやと付き合ってるつもり(つもり) ある時夢主が「黒尾とは付き合ってない」とバッサリ言い切ったのを聞いてしまって、非常にモヤる。冗談で「キャー黒尾くんすきー!」「マジ愛してる」とか言い合ってたから、告白したものだと思ってた。実は告白してないことに気づいて、告白しようとするも―――

タイトル:逃げる女と追う男



定番のジャージを借りるシチュエーション

「なに、寒ぃの?」
「ちょっと。薄着しすぎた」
「しゃーねーから、黒尾さんのジャージを貸してあげますよっと」
「やったー!ありがとー!!」

「ふふっ」
「どした?」
「黒尾のジャージおっきい」
「そりゃーね?俺男だし?」
「いっつもね、私のジャージを他の女の子に貸すと、おっきいー!彼シャツみたーい!ってぶかぶかの着てるの可愛いなって思っててね、でも私が他の子に借りてもサイズ小さくて着れないからね、なんか嬉しい」
「(くそかわかよ)」
「ぶかぶかってこんななんだ、ふふ、手ぇ見えないし、裾長い」
「いつでも貸すんで、もうずっと着ててくだサイ」
「やったー、ぶかぶかだ…可愛い?」
「すげーカワイイ。やばいカワイイ」
「黒尾の隣だと、小さくて可愛くなれるから好き」
「(もう無理可愛すぎか)」



ブラのホック外しゲームが教室で流行った
「もー!またやられたし!!ちょっと黒尾、ジャージの上貸して!!」
「なになに、どしたん」
「キリないからジャージでごまかす」
「いや、だから何を」
*
「啓ヤバくない?今ノーブラ?」
「誰のせいよ、誰の!!」
「彼ジャーで見えないようにするとか、エローい」
「昼休みなったら着けるし」
「そしたらまた外してあげるね(ハート」
「私も容赦しないよ(ハート」

(まってまってまってまって、ノーブラ?ドユコト?俺のジャージ?意味わかんねェんだけど!!!)



球技大会バスケ
「ちょっと、黒尾無駄にカッコいいんだけど」
「無駄って何、無駄って。すげーカッコいいって言えよ」
「悔しいながらすごいカッコよかった」
「いや、なんで悔しいわけ」
「わかんないけど、黒尾をカッコいいって思ったら負けた気分になる」
「勝った」
「負けたー」


こんな感じのゆるいお話を書きたいなー!!!!
次からは黒尾くん視点の本編になる予定の話。断片的に。書いたまま迷走してたから、黒尾くんの呼び方がクロだよ。本格的に書くときは直すよ(つまり直す気はない)



「ねー、付き合ってよ」
「デートの誘い?」
「そうだよ、ちょっと職員室まで」
「しゃーねーな」
「ありがとー!じゃあ、集めたノート持って職員室いこー!」
「おい!せめて半分ずつだろ、なんでお前そんなちょっとなんだよ!」
「やだ、黒尾さんったらレディと同じ重さしか持てないのかしら」
「やだ、桐崎さんったらゴリラなのお忘れなのかしら」

なんて会話をしつつも、俺と桐崎は付き合ってない。ただの友達同士だ、まだ。
例えこの会話を聞いていたクラスメイトが「相変わらずお熱いこって」とか「いいよなぁ、俺もカノジョ欲しー」とか言ってきても、俺と桐崎は彼氏彼女の関係ではない。まだ。そう、まだ。いずれはそうなる予定はある。
いやだって、絶対桐崎も俺のこと好きだろ。
俺はスキ。
なんつーの、話しやすさ?一緒にいるとめっちゃ楽で、隣に居ないとなんか不安になるようなそんな感じ。
クラスメイトと話しながら、



「ちょっと言いてぇことあっから、時間いい?」
「ここじゃダメ?」
「いや、なんつーか、ホラ!ちょっと言いにくいなー?なんて?」
「この後お母さんと待ち合わせしてるんだ。メッセ送っといてよ!じゃね!」

そうして、それなりに緊張して臨んだ告白も、その前段階で失敗した。
いや、察しろよ!!



「昼休み、ちょっと来て欲しいとこがあんだけど」
「え?どこ?」
「…体育館?ウラ?」
「なんで疑問形なの」
「いやなんとなく」
「今日は友達と購買で学食食べるから無理でーす」

「放課後どっかいく?」
「行く行く!ゲーセン?買い食い?てか部活は?誰誘う?」
「え、いや二人で」
「なんで?皆の方が楽しいじゃん」

「屋上で!二人で!飯食おうぜ!」
「いいよー」
「マジで!?」
「マジだけど…誘っといてなんなの…?」
「いや、いやマジかヤベェな緊張する」
「だからなんなの…。あ、ソシャゲのイベント今日までだからそれやるけど」
「ん?」

「なァ!日曜ヒマだろ、買い物付き合えよ!!」
「いーよー。見たい映画あるからそれまでね」
「なんだよ、そんなら一緒に見りゃいいじゃん」
「映画は映画で友達と約束しちゃってんだー、ごめんね」


いい雰囲気で、逃げられない様に手をつないで。普段だったら絶対言わないような「空がキレーだな」なんてうわついた事を言って。ムードもばっちりって思ったのに、

「ごめん、寒いし帰っていい?」

なんて思い切り手を振りほどかれて走り出されたら、幾ら俺でもさすがに気づく。
いつもいつもいつも、こっちが意を決して告白に望もうとしているのに、桐崎は先手を打って華麗にスルーしてくる。やれ用事だの、友達だの。
もしかしなくともこれは、逃げられてるんじゃないか!?

*

「なぁ、桐崎。お前最近俺のこと避けてね?」
「気のせいじゃん?避けてたらこうして一緒にお弁当食べてないでしょ」
「いや、そうなんだけどな」

なに?とこちらを見返してくる桐崎はいたっていつも通りで、じっと見ていると「しょうがないなぁ」と笑って玉子焼きを食べさせてくれる程だ。桐崎んち、玉子焼きは砂糖でウマいんだよな。なんて玉子焼きを味わいながら、お礼としてから揚げを桐崎の口元まで運ぶ。「ありがと」と嬉しそうに頬張るが、これが間接キスだってアイツわかってんのかね?
またもや弁当を食わずにじーっと見ていたら、桐崎がにやりと笑う。

「間接ちゅー、しちゃったね?」
「ブッ!おま、吹いたじゃねーか!!」
「今更じゃん、うっけるー!」

思わず吹き出してしまった口元をぬぐいながら考える。
そう、確かに今更だ。夏場はペットボトルの回し飲みだってしていたし、こうして弁当交換で食べさせあうのも今更。
イマサラ、なんだよなぁ。

「おーい、そこの二人ー。俺らもいること忘れんなー」
「あ、やっくんも玉子焼き欲しかった?でも残念、もう食べちゃいましたー!」

あはは、と楽しそうに笑いつつも、かわすところはさりげなく、そしてうまくかわしている。
間接キス、したくない奴とはしないんだろうな、とそこは心配してない。…いやウソ、ほんとはいつものノリで気にせず色んな人とやってそうってめっちゃ心配。
こうしてクラスの連中と食べている時は、誰かにアーンとかしてんの見たことないけど、どこかでやってないだろうなと不安。

「もー、クロ最近わたしの事見すぎー。穴開いたらどうしてくれんの?」
「そんときゃ貰ってやるよ」
「きゃっ、だいたーん」

ヒュゥと、また周囲から口笛やら拍手やらが聞こえ、「ついに夫婦誕生か!?」なんて野次も聞こえる。桐崎もへらへら笑いながら周囲の言葉を受け流している。俺もいつもどーり適当にあしらう。今のこの関係は、一体なんなんだろう。

*
「おーれーはー!桐崎がー!!」
「あーあー!!聞こえないー!!!」

「逃げんなよ!俺は桐崎が好きなんだっつーの!!」

両手を壁に押さえつけ、足の間に膝を割り入れ、これ以上ないほど顔を近づけて―――ついに言えた。

「無理無理無理無理無理、こっちみんな!見るな、バカ!」

そうやって俺を殴っていた手を取って、顔を隠していたもう一方の手も掴んで顔を見れば。

「うわ、お前顔真っ赤じゃん」
「見るなって言ってんでしょ!?」

すげー可愛いんですケド!?なに、彼氏彼女になったらこんな表情も見れんの?うわ最高かよ。

「にやつくな、キモい!!」
「は!?にやついてませんけど!?」
「いーえしてますー、ドン引きするほどにやにやしてますぅー」
「だっ、ばっ、それはお前が可愛いからしゃーねーだろ!?」
「はっ!かわっ、かわ!?」

また赤くなって、今度はぱくぱくと口を開けたり閉じたりしている。いや、うん、今は俺も顔熱い。にやけんなって無理だろ、彼女が可愛すぎて辛いとか、マジであるんだな。やべぇ。

「つーか、なんで泣くワケ!?えっ、うれし泣き?」
「クタバレ、このポジティブ野郎!」

やたらご立腹だが、泣き続ける桐崎をどうしたらいいのかオロオロしたものの、やっぱり、こう、カノジョのなだめ方と言えば、これだろうと抱きしめてみた。
これまでもおんぶしたりとか、肩を組んだりとか、手をつないだりとかしてきたけれど、抱きしめるのは初めてな気がする。…いや、なんどか抱きしめたことあんな。でも、その時とふざけた空気とは違って、好意を示してからのハグ。やっぱり女子ってやわらけーとか、胸あたるとか、ちょっといいにおいするとか、桐崎はちっちぇーなとか。桐崎の全部に動機がヤバい。心臓の音聞こえてんじゃねーの?というほど心臓がうるさい。ぐすぐすと泣く桐崎がぎゅっと背中に手を回してシャツを握った時は、心臓が口から飛び出すと思った。

「ばか!ばかばか!なんで言うの、このばか!!」

*

以上、こんな感じのお話を書きたい。
ちなみにこの後はくそほど甘い展開になる。もちろんハッピーエンド。


普段は気の合う友達だけど、二人きりになると意識するのか途端にカワイイ彼女になる。そのギャップがおかしくて、桐崎の可愛い一面にずっとドキドキさせられっぱなしだ。

「待って、クロ近い、無理…」
「なんでだよ、教室では肩組んだりしてるだろ」
「それはそうだけど…ほんと無理…」
「顔赤くして、なーにが無理なんだか」

みたいな。書き手が死ぬ甘さ。

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