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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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二人の魔女

久しぶりに魔リオちゃん。
vs100年の魔女。



 

「見つけたわ、100年の魔女!!」

 

頭上から威勢よく呼ばれたような気がしたので、アキラは天を仰ぎ見る。
逆光でよく見えないが、人が浮いているように見えた。
シンドリアでアキラはアキラとして通っているし、100年の魔女は異世界におけるアキラの異名だ。
この世界で知る者はいない。

と、いうことは。

 

「どの世界の人でしょうね」

 

魔女としてのアキラを知る、外の世界の人間だ。
某学校魔法科6年卒業生、桐埼啓。
100年の魔女と呼ばれるようになって早十余年。
さまざまな世界を渡り歩き、そこで友人知人を増やしてきた。
たまに敵を作ったりもしたけれど、その中に世界を越えれるものはいなかったはずだ。

太陽に雲がかかり、うっすらと相手の全貌がうかがえる。
ばさばさと靡く黒く裏地の赤いマント、頭には黒いシルクハット、高い位置でツインテールに結ばれた髪がマントと同じように揺れている。
顔は子細うかがえないが、口角が弧を描いていることはなんとなくわかった。

アキラはぱちんと指を鳴らし、黒い官服から黒い魔女スタイルに変わる。
黒のショートマント、つばの大きな黒いとんがり帽子、セーラー服は卒業したからフリルシャツとシフォンの黒スカート。
魔女っ子から魔女に変わり、100年の魔女と言う大層な名前をつけられるまでになった魔女。

 

「服装から見てあの学校の生徒であることは間違いないでしょう」

「わたくしは某学校魔法科6年卒業生桐埼啓」

「100年の魔女、いざ行きます」

 

 

 

2012/07/16

 

 

 


「100年の魔女、いざ行きます」

 

なによ、せっかく見つけたと思ったら案外普通の女じゃない。

100年の魔女と仰々しい名前で呼ばれているのでどんな魔女かと思えば、普通すぎる女だった。
黒いマントに黒いとんがり帽子と、格好自体はごく普通の魔女だ。
派手な衣装であるわけでもなし、魔リオのようにゴスロリというわけでもドレッシーというわけでもなかった。
顔だってとりわけ美しいとか、不細工とか、そんなことない普通の顔だ。
ぼけっと間抜けそうな、眠たそうな顔をしている。
自分の方が魔女としての貫録があるし、顔だって可愛い。そう思えるような凡百な顔つき。

魔女としての覇気も威厳も感じられない。
恰好だけでしか魔女と判断できないような女が、100年の魔女?
こんな普通の女が、自分より上位に位置するって?
自分より劣っているように見えるアキラに言いようのない屈辱を感じ、なおさら相手を屈服させようと思う気が強くなる。

 

「あたしはあの学校魔法科4年生魔リオ!アンタを倒すためにわざわざきてやったのよ!!」

「すみません、名乗ったはいいものの、わたくし貴方のことを知らないのですが」

「いちいち癪に障る女ね!あたしの名前は魔リオ、アンタを倒すから今から名前を覚えればいいのよ!!」

「そもそもなんで戦うんですか。わたくし平和主義者ですし、何より疲れるからよけいなことしたくないんですが」

 

進まぬ顔というか、やっぱりどこか眠たそうな興味のなさそうに、抑揚のない声で100年の魔女が言う。
空中に浮いている魔リオから見下ろす形になる100年の魔女アキラは、ただ見下ろすだけでなく見くだす対象となる。
自分が真剣なのに、相手にされていない様子に魔リオはしびれを切らした。

 

「世界が認める天才ウィザード、魔リオちゃんにひれ伏しなさい!!」

 

 

2012/07/16

魔リオちゃんvs100年の魔女。
互いの温度差がやばい。
魔女がやけどするよりも、魔リオちゃんが低温やけどしかねない。というか、する(笑)

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