KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。
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次暇な日があったら、本格的にお子さま海軍編をサルベージします。
えぇ、いつも通り宣言だけはしますとも。
ぼちぼち結構な数になってると思うんだけどなー。
今日の続きは非番のおかーさんとスモーカーくん。
二人は仲良し。
「あぁ、スモーカーくんか」
「くんってぇのはやめろって、俺ァ言わなかったか?」
「数少ない同い年なんだから、仲よくしてもいいじゃないか」
オフなのかいつものかたっ苦しさはなく、飄々とした様子で琴里はスモーカーに話しかけた。
海賊からはもとより、仲間である海兵からも鬼と呼ばれる琴里は、実際恐ろしい。
敵に回せば恐ろしいが、味方であれば頼もしいという言葉はよく聞くが、琴里の場合は味方であっても恐ろしい。
戦場を駆ける姿は修羅であり、彼女の歩んだ後には海が赤く染まると言う。
億越えの賞金首を何人も屠り、名のある海賊団を皆殺しにしたという話もある。(後にこれが真実だと知るのだけれど)
歳若くして少佐の地位に収まっているが、実力は中将クラスだとも囁かれている。
海軍内でもその厳しさは変わらず、少しでも不躾な行動をとると即座に打たれると評判だ。
仕事に忠実、勤勉実直、敵はおろか仲間にさえ容赦のない姿は、皮肉や妬みを込めて鬼と呼ばれている。
「騒動を起こしたみたいだな。なぜ命令に従わない?」
「あァ?テメェも文句あんのか、少将様よ」
「いいや、今日は休みだから何も言わないさ。正義を貫けば、それでいい」
休日の鬼は、案外普通の人間だったりする。
もっとも、休日はほとんど帰郷しているのでその姿を見る人間は少ない。
彼女が二児の母親だと知るものは、果たしてどれほどいるだろうか。
歳が近いこともあり、度々琴里と接する機会のあるスモーカーでさえ、琴里の私生活はあまり知らない。
こうしてマリンフォードの街のオープンカフェで、琴里の方から声をかけてもらわないとわからない。
それほど、仕事と私生活を割り切っている。
パラソルの下でオレンジジュースを飲みながら新聞を読んでいる琴里を、誰が海軍の鬼と思うだろう。
少なくとも、スモーカーは思わない。
「座るといい。一人で暇をしていた所だ」
「けッ、なんか奢れよ」
「この店はコーヒーがウマいらしい」
「じゃあお前が飲め」
「苦いじゃないか。わたしは甘いのがいい」
「ガキか」
「老けてるよりマシだ」
イスを引いて琴里の正面に座ると、新聞を畳んだ所だった。
その顔には笑みが浮かんでいる。
鬼の目にも涙とはよく言うものだけれど、海軍の鬼の笑顔はどんな意味を持つのか。
おそらく、鬼としての琴里しか知らないものは琴里が笑うことすら想像できないに違いない。
ウェイターを呼び、灰皿とコーヒーとスパゲッティを頼む。ついでに、琴里もピザを一枚頼んだ。
「平和だなァ」
「マリンフォードだからな」
2010/12/12
おや。
珍しく仕事が早く終わったので、マリンフォードに持っている仮住まいに戻る所だった。
休日のほとんどを故郷であるフーシャ村で過ごす琴里だが、こうやってマリンフォードで過ごすこともあるので、こちら用の家も持っている。
軍の寮に入っても良いのだが、女性寮の数は少なく、また琴里がいると他の入寮者が緊張するので、マリンフォード内のマンションを一室借りていた。
寝に帰るだけなので間取りは意識していないが、バスタブが備え付けてあることを重視したら2LDKという広い間取りになってしまった。
家賃は高給取りなので気にしないが、ほとんど無駄にしていると言っても過言ではない。
使っているのは主に寝室とクローゼットだけなので、閉じられている部屋にはほこりが積もっている。
冷蔵庫には日持ちする冷凍食品や保存食が入っているので、1日程度なら過ごすことが可能だ。
そんな生活感なんてまるでない、家賃だけ無駄に払ってる家に帰ろうとした時だった。
見知った後ろ姿が見えたので、思わず早歩きで追い付いて肩をたたいた。
「スモーカーくん。こんな夜中にどちらへ?」
「おわっ、なんだ、琴里か」
「なんだとは失礼だな。でもちょっと驚いた感なのはよかった」
「いいのかよ。タチわりぃな」
悪戯が成功した、と琴里は無邪気に笑う。
暗がりにも琴里が笑ったことが分かったのか、スモーカーもつられて笑う。
元来人懐っこい性格の琴里だが、軍では真面目一徹の仕事人間となっている。
自ら他者にかける言葉は命令か、怒号か。
そんな琴里に話しかける勇者はいないし、友達になろうなんて間違っても思わなかった。
だから琴里に友達は少ない。
フーシャ村の幼馴染のマキノか、このスモーカーか。
「煙草買いに出てたんだよ」
「ふぅん。能力のためとはいえ、そんなまずいのよく毎日飽きもせず吸えるな」
「お前の味覚がガキなんだよ」
「絶対、アイスやキャンディのほうがうまいのに」
「そら、くれてやる」
「わっ、うれしい!飴じゃないか!これはお礼をせんとな」
「お前の礼は恐ぇんだよ。なんだよ、腕立てか?スクワットか?」
「まさか!折檻じゃないんだから」
「普段お前が部下にしてることだろうが」
「仕事に必要な筋肉を得られる、ステキなゴホウビだろう?」
「おーこわ。これだから海軍の鬼は」
はっはっはと笑いながら、琴里はスモーカーの腕を引き自宅へ誘う。
もちろんそんなこと知る由もないスモーカーがうっかり部屋に引きずり込まれ、若干居心地が悪い思いをしたが、琴里が楽しそうなので良しとした。
なんだかんだで、スモーカーにとっても琴里はいい友人なのでお互いが楽しければいいのだ。
「おっまえ、掃除くらいしろ!!」
「きれいな寝室だろう?」
「それ以外!!!」
「そら、いろんな人から貰ったけど飲まないから無駄になってる酒だ!」
「これだから将官は!!なんだよこのとんでもねぇ品ぞろえ!」
「はぁー、人と一緒だと楽しいなぁ、スモーカーくん」
「あぁ、楽しいな」
おかーさんの口調が迷子。
2010/12/17
前どっかで言ったことあると思うけど、実はベルメールさんとも知り合い。ベルメールさんの応援に駆け付けたのがおかーさんという設定。今思いついた。だからノジコとナミも知ってる。一応ね。さすがにナミは小さすぎておかーさんのこと覚えてないし、おかーさんも十数年前の他人の子供は覚えてられない。ノジコは若干覚えてる。なぜならば当時のノジコと似たような年齢のエースがいたから、おかーさんもノジコに優しくしたから。だから、あの時優しくしてくれた海軍のおねーちゃんで覚えてた。かも。まぁ成長したノジコとおかーさんが出会わないから意味ないよねー!!!
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