KLM

しばらく留守にしていました。
スキーキャンプへ行ってきてました。大学の。
おかげさまで体育の1単位もらえました。来年も行けば、これで体育の卒業必須単位はゲットできます。時間割に影響させずに単位もらえるなんてすばらしい。お値段がぼちぼちに高くつくのが難点だけどね。楽しいから問題ナッシング。
今回はスノボにチャレンジしました。
転びまくってケツに青あざ作りました。カビに侵されている！と風呂場で言われるほどぼちぼちに酷いです。椅子に座るのいてぇ。あと筋肉痛も酷い。
そしてなにより深夜バスがきつい。朝8時に家に帰宅しました。向こうを出たのは昨日の夜6時でした。まったく眠れませんでした。いちおうお嬢なので、深夜バス初体験。今までの移動手段？飛行機だよ。移動時間少ないし揺れないし楽チン。バス信じらんねぇ、寝らんねぇ。

あぁいけない。
眠いせいでものすごくダメな日記になってる。
久しぶりに顔出したのに。

「つまらないわ。
　つまらなくてよ。えぇ、えぇ、とてもつまらなくってよ。



なにがどうつまらないか説明してあげますわ。それで少しでも暇つぶしになるのでしたら、喜んでお話して差し上げますわ。そうですわね、まず貴方。貴方は面白くって？これは貴方の価値観を聞くものじゃなくってよ。貴方が今この瞬間、面白いと感じているか否を聞く質問ではございませんの。貴方自身の価値を訪ねていますのよ。貴方と話していて、わたくしちっとも面白くありませんわ。単なる暇つぶしにしかならないもの。そうね、だって貴方はおしゃべりしてくださらないじゃない。わたくし、無言の時間って好きじゃなくってよ。沈黙寡黙、雄弁は銀と申しますけれどね、お友達とご一緒してまでも物静かを貫くのはいかがなものかと思いますわ。わたくし、お友達とおしゃべりをするのが大好きですの。日常のお話をしたり、情報を交換し合ったり、あぁ、悩み事を聞いてあげるのも好きですわ。わたくし、こう見えても悩み相談をよく受けるんですのよ。愚痴でも構いませんわね。人がその時どう感じて、どういう感情を抱くのか興味がありましてよ。ですから、わたくしおしゃべりが大好きですの。貴方もそうだと思っておりましたのに、違いまして？いいえ、違いませんわ。わたくし、貴方が他の方々と楽しそうにおしゃべりするのをいつも見ていましたの。大きな声で、楽しそうに、笑って。そんな貴方を見ていて、わたくしとても興味を持ちましたの。ですから、こうしてお茶にお誘いしたんですのよ。貴方のその口からどんな言葉が飛び出すのか。わたくしの知らない世界のお話が聞けると思って、わたくし、それはそれは楽しみにしておりましたのよ。けれども貴方、ちっとも喋ってくださらないんですもの。どうしましたの？淹れたお紅茶がお口にあいませんでした？それともお茶菓子がまずかったのかしら。一応わたくしがおいしいと感じたお店のケーキを買って参ったのですけれど。もしかして甘いものがお嫌いでした？そんなはずありませんわ。貴方お友達とおしゃべりする際は喫茶店でケーキと紅茶を嗜まれるのでしたわよね。じゃあ紅茶の茶葉がいけませんでした？ダージリンはお好きじゃなかったのかしら。ピーチとグレープのフレーバーティにしようか迷ったのですけれど、定番のダージリンにいたしましたの。だってダージリンならどこのお店でも出されるでしょう？ですから問題ないかと思ったのですけれど。あぁじゃあやっぱりケーキがあわなかったのね。イチゴはお嫌い？だったらチョコレートでもティラミスでも、なんでしたらプリンやゼリー、焼き菓子でも用意すればよかったかしら。ごめんなさい、配慮が足りませんでしたわ。けれど、紅茶はしゃべった喉をうるおすためのもの。ケーキは嗜好品。どちらもおしゃべりにはあるに越したことはありませんけれど、なくても困るものでもなくってよ。その程度のことでだんまりなんて、少し酷くありませんこと？それともおしゃべりする内容が思いつかないのかしら。構わなくってよ。どんな些細なことでも。つまらないことでも。それを切欠に膨らんでいくのがお喋りなのですもの。わたくしも貴方もおしゃべりが大好きなのですもの。何時間お話しても楽しいに違いありませんわ。なのに、貴方はその切欠さえ作ってくださいませんのね。わたくし、つまりませんわ。つまらなくってよ。貴方はどうして黙ってしまわれたのかしら。わたくし、何か気に障ることでもして？でしたら謝りますわ。心当たりなんて欠片もありませんけれど。それとも調子が悪くて？一応貴方の予定と具合を確認して今日という日に決めたのですけれど。どうしてかしら、なぜなのでしょう。貴方はどうしておしゃべりしてくださらないの？わたくし大変つまらなくってよ。そう、つまらないのは何も今日に限ったことだけではございませんの。最近何をしてもつまらないの。なぜかしら？美味しいと評判のチョコレートを食べても、思う存分買い物しても、旅行をしても、お友達とお出かけしても、素敵な物語を読んでも、何をしてもつまりませんの。眠っている時が唯一の幸せですわ。思考回路を停止して、五感を失って、仮死状態に陥りますの。眠りとはなんでしょう。よく休息と聞きますけれど、本当にそうなのかしら？五感を安め、脳を労わる。体の全機能を停止させることが休息なのでしたら、きっと至上の休息は死なのだわ。聞いたことございませんかしら。眠りとは仮死状態を指すと。最近そのことを考えていましたの。こうもつまらないのでしたら、いっそ永遠に眠り続けることはできないかしらって。だってそうでしょう？眠り姫は王子様が来るまで眠っていて、その永い時を待ってましたもの。わたくしも世界がもう少しわたくしを満足させられるまで、死んだように眠って待ちたいですわ。つまらないのは嫌いでしてよ。あらごめんなさい。わたくし喋り過ぎてしまいましたかしら。だって貴方が喋ってくださらないんですもの。わたくし沈黙が苦手ですので貴方がその重たい口を開いてくださるまでの場つなぎに、と思いましたのに、貴方はわたくしの話に口を挟むどころか開いてすらくださいませんのね。残念だわ、残念でしてよ。そしてつまらなくってよ。何度でもいいますが、つまらなくってよ。何度でも言いましょう。つまりませんわ。だから貴方をお招きいたしましたのに、どうしてしゃべってくださいませんの？貴方は面白い方だとお聞きいたしましたの。おしゃべりが上手で、いくら話しても話題の尽きない方だとおもっておりましたの。ですから、わたくしのつまらない日常を少しでも彩ってくださると信じていましたのに、がっかりですわ。がっかりでしてよ。所詮貴方もつまらない人間だったということですのね。つまりませんわ、つまらなくってよ。どうしてこうもつまらないのかしら。世の中には箸が転げたって笑う方たちもいらっしゃいますのに。わたくし、最後に笑ったのがいつか思い出せませんわ。世界がわたくしを拒絶しているのかしら、と思うほどつまりませんわ。まるで、世界からはじき出されたみたいでとても居心地が悪くてよ。わたくしだけ部外者で、傍観者で、わたくしなんて取るに足らない存在のように、わたくしがいなくても世界は回りますの。ここでもしわたくしが死んだとしても、世界は変わらず回り続けるの。わたくしがいなくなったことに気づく方が、果たして何人いて？その中で涙を流す人は何人かしら。嗚咽に噎せ返る人はどれほど？後を追ってくださる方はいらっしゃるのかしら。わたくしはそれだけの存在でしかなくてよ。本当に、小さな蟻が踏まれて絶命して擦られてその遺骸すらもわからなくなってしまって、この地球上から存在がなくなってしまっても誰も気づかないように、わたくしという個も地球規模でみればその程度の存在でしかありえませんの。つまりませんわ。わたくしがそれだけの存在だということが、この上なくつまりません。面白くないです、遺憾です。けれど、どうしたら地球規模で認めていただける存在になれるかどうか、いくら考えてもわかりませんの。わからなくって、ジレンマで、それで、あぁ、わたくし、諦めてしまいましたの。少し泣いて、拗ねて、捻くれて、そして諦めましたの。世界にとってわたくしはいらない存在なのだと。いてもいなくても変わらない、なんのために存在しているかもわからない、そんな愚かしい存在なのだと。諦めてしまいましたの。つまりませんわ。わたくしはこうして存在している意味がないのですもの。貴方とお話しすることによって、少しはわたくしの存在意義があると錯覚できると思っておりましたのに、とんだ見当違いでしたわ。ごめんなさいね、わたくしのつまらない戯れに付き合わせて。それでも、貴方には期待しておりましたの。貴方と楽しいおしゃべりをすることによって、つまらない時間を忘れることができたら、と思っておりましたの。それも叶いませんでしたわね。お時間とらせて申し訳ありませんでした。お詫びとして先ほどおだししたケーキをお土産に包みますわ。お家に帰ってゆっくり食べてください。もちろん、お口に合わないようでしたら捨てていただいて構いませんわ。紅茶の茶葉も入れて差し上げましょうね。それでは、本日はありがとうございました。今日という日は忘れてくださって構いませんわ。まぁいずれ忘れてしまうでしょうけれど。所詮、貴方にとってわたくしもその程度の存在という事ですわ。大丈夫です。わたくしは怒ったりしません。わたくしは既に諦めましたの。この世界と関わることに。…気にしないでください、涙がこぼれるのは最近よくあることですの。悲しいのかしら、やっぱり世界と切り離されることを悲しいと感じているのかしら。嫌ね、わたくし、子供みたい。自分から切り離したのに、諦めたのに、まだ未練を持って希望を持ってる。中途半端に希望を捨てきれないから悲しいのだわ。つまらないのはわたくしの視野が狭いせいだと自覚しております。つまらないの一言で全てを切り捨てて、目をつぶっているだけなのも理解しております。けれど、目を背けたくなる。世界が自分なしでも回っているという事実には。だって、そんなの悲しすぎるわ。嫌よ、わたくし、もっともっと世界に存在したいわ。沢山の人にわたくしを知ってほしい。わたくし、こんな小さな存在で終わりたくない」



「僕が喋ってもいいかな？」

「…なんですの？いえ、よく喋ってくださいました。わたくし待ってましたわ」

「君は、もっと単純に生きたらいいと思うよ。適当に、深いことを考えないで」



「それは貴方の言うセリフではありませんわ」