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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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お子さま行進曲 マルコ編その5

 

 

 

「コトリ、どうかしたかよい」

「んーん、なんもしないよ」

 

モビー・ディック号は再び大海原を突き進んでいた。
最近琴里は暇な時甲板に出てぼんやりしていることが多くなった。
この日も甲板で手すりにもたれてだらりと海を眺めていたら、マルコが横に来た。
琴里はちらりとマルコを見て、また視線を海に戻す。
平然と、漫然と、緩慢に。

 

「……………………」

「……………………」

 

マルコも琴里の隣に行き、同じように手すりにもたれた。
二人でいても、会話が続かない。
普段なら琴里が意気揚々と色々な事を話しだすのだが、今日は、最近はそれがない。
それどころか、一人でおとなしくしていることが多くなった。
誰かと談笑してる姿も、飛びついて困らせている姿も、笑っている姿をみなくなった。

 

「なんかあったか?」

「なんもないよ」

 

答えるときも、相手の顔を見ない。

 

「琴里、掃除当番だからもう行くね」

 

 

 


2010/09/30

 

 

 


「どうした」

「わかんない」

 

琴里はエドワードの上でだらけていた。
この船に来た時と比べれば随分と大きくなった琴里だが、それでもまだまだエドワードの方が大きい。
すっかり琴里の定位置の一つとなったエドワードの腹の上で、琴里は眠るでもなくただぼんやりと横になっていた。
エドワードが喋るたびに上下する腹の上は、温かくて安心する場所だった。

 

「わかんねェのか」

「うん。わかんない。琴里、どうしちゃったんだろう」

 

目を閉じて思考をめぐらせようとしたけれど、うまくいかない。
考えようとしても、何を考えていいのかわからない。
どうしたのかと自問自答しようにも、問題すら思いつかない。
頭がどろりと溶けてしまったみたいに、ぼんやりする。

 

「お前が元気ねェって、みんな言ってるぞ」

「そっか。心配かけちゃった」

「俺も、心配してる」

 

ごめんなさい、小さくつぶやいた。
元気がないというよりも、いつもの調子が出ない。
こんなこと初めてだ。
琴里自身も戸惑っている。
でも、どうやったら前みたいに振舞えるかわからない。
心配させているのはわかっている。
わかっているけど。

 

「わかんないよ、親父様」

 

琴里は泣いた。

 

 

 

静かに泣いた。
2010/09/26

本当なら島編をあと2話ほど書く予定でしたが、駆け足で。
飽きないうちに書き切ってしまいたいのですっとばしてます。
次はサッチのターンで、少しまたお話が動くはず。はず。

しかしエースフィギュアがかっこよくてもうにやけてます^///^
http://twitpic.com/2sgq4n

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