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KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

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ムヒョロジ二次創作

ムヒョロジを読みかえしていたらごりょーたまが思いのほかツボで、うっかり作文をするほどどっぷりいってしまいました。
ムヒョロジは読んでて楽しい。
えんちゅーえろい。きゅらたま至高。


そんなわけで、続きに♀ごりょーたま二次創作です。
えぇ、♀ごりょーたまです。本誌でも性別不明で終わってしまったごりょーたまなので、♀でも余裕だと思うのです。まぁ着物がはだけた時のお胸がまったいらだったのは…うん。
でもあの美しさは女性で余裕だと思うのです。

あ、あと過去捏造しまくりです。





成績優秀眉目秀麗、才色兼備とはまさに自分の事で、更には実家は平安時代から千年続く巨大な組織の頭目でその一人娘で跡取りときている。
幸いにも男女どちらでも務まる仕事なので、男だったらよかったのに、と言われることはない。逆に美しくてよい看板になると称えられている。

無論看板で終わるわけがなく、実力も申し分ない。
MSL学校在学中は遊びにうつつを抜かす事もなく勉学に励み、常に主席にいた。
交友関係を広げ、独自のネットワークを作れと誰かが言ったが、仕事で必要なネットワークは既に親が持っている。
学校で今後役に立つ人脈が得られるとは思わないし、何よりくだらないお喋りや慣れ合いをするくらいなら少しでも勉強をした方がマシだった。

そうして五嶺陀羅尼丸は当たり前のように執行人になり、ゴリョーグループの頭目に着任した。
親も娘がこれだけ優秀ならばと、とっとと頭目を陀羅尼丸に譲り、自分たちは自分たちの稼いだお金で悠々と遊んで暮らしている。
肩にゴリョーグループの全権を乗せられて、緊張した。
千年の歴史、実績、プライド、大勢の部下、それら全てが一気にのしかかってきた。
幼いころより自分がゴリョーグループの頭目になることは決定事項で、自分も周囲もそうなると信じて疑わなかった。
だから覚悟はしていたが、学校を出て数年の若輩者は知識ばかりで人をまとめ上げることには不慣れだ。
不慣れと言っても両親の後ろ姿、たまに仕事場に連れられどうすれば人を従えさせることが出来るのか、人を効率良く使役するのか、頭目とはどうあるべきなのかなどを自分なりに見て来たつもりだ。
自分ならやれる、それだけの自信を持っている。
最初の緊張など、そのうち忘れてしまうだろう。

なんたって自分は、ゴリョーグループ頭目、五嶺陀羅尼丸なのだから。

 

「陀羅尼丸様、そろそろ」

「何度同じことを聞けば気が済むんだろうねぃ。私には私の考えがある、口出しするんでないよ」

「申し訳ございません」

 

部下がちらりとルームミラー越しに自分を見て来た。
早く決めろ、とその視線が言っている。
車は黒塗りのリムジンで、よく手入れされたシートは揺れを吸収して車に乗っている事を忘れさせる。
目的地まで移動するまでの快適なこの場所では、つい思想にふけってしまう。

部下が言っているのは、助手の事だ。
霊と対峙する時、執行人は詠唱などで集中力を要し、無防備になる時がある。
その際自分を守り、フォローする直属の部下が必要なのだ。

しかし、自分は今現在助手がいない。
ゴリョーグループには腕の立つ優秀な裁判官が何人もいて、みんながみんな頭目である自分の助手になりたがっていた。
試しにその中の何人かを助手として自分の元に置いてみたが、どうにも機転が聞かない者たちばかりだった。
あれをやれと言えば、出来ません、無茶です!という返事が返ってくる。それが出来る事がわかっているから命令しているというのに、何故無理という答えが返ってくるのか意味がわからない。
この無能め、と相手をなじるのはもう疲れた。
ただでさえ疲れる仕事なのに、この上仕事以外の事で疲れていてはやってられない。
無理のむの字を呟こうものなら、速攻でクビを言い渡した。
そうこうしているうちに、ゴリョーグループの裁判官はほとんどみなクビを切られてしまった。
とはいっても、ゴリョーグループをクビにしたわけではなく、その他の者の裁判官として現場にださせている。

いつまで経っても助手を決めず、一人で簡単な仕事をしている自分に周囲の者が業を煮やしているのがわかる。
けれども立場上それを表に出すことが出来ず、遠回しに言ってくるのだ。
聞き飽きた。
自分の助手となりえるほどの人材がいないだけだ。助手をとる気はある。
現場で自分の言う事を聞いて、きちんとそれを実行に移すことが出来る者。
自分の為に命までも投げ出す者が理想なのだけれど、どこかにそんな優秀な存在が転がっていないだろうか。

 

「到着いたしました」

「ふん、霊を追い詰めるくらいはしてるんだろうねぃ」

 

和綴じの書を取り出し、詠唱を始める。
最近は部下を先に現場に入らせ、霊の処置をさせている。
あらかじめ霊の下調べをするように言ってあるし、自分はその報告書を読んで必要であろう人数をみつくろって先方隊としてやっている。
中には調査不足で霊の強さを見誤り、自分が到着した時には壊滅状態だったことも幾度かあった。けれども知ったこっちゃない。
部下自らが調べたことが間違っていたのに、なぜ自分が助けなければいけないのか。
そういう場合はもう一度調査からやり直しだ。無駄な労力、無駄な時間、無駄な事ばかりで嫌んなる。
もっと効率よく働け、それでもゴリョーグループの一員なのか。そんなことばかり思ってしまう。
助手さえいれば、最初から自分が乗り込んで助手が時間を稼いでいる間に詠唱することや策略をめぐらせることが出来るのに。

使い捨てでも構わない、なんでも言う事を聞く助手が欲しい。

 

 


2012/01/03


話し方が難しい。
最終校正でコミック片手に検証しつつやらせていただきます。
実はこれ前編、後編はもちろんエビスとの出会い編です。
ネタばれするなら題名は「思えばこれが初恋だった」。

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