忍者ブログ

KLM

KLMは始まりのABC、終りのXYZの中間に位置する途中経過という意味です。 でも、理系の管理人なのでK殻L殻M殻という意味もあります。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

妖怪アパート1

そういえば、このアパートには、幽霊屋敷にお決まりな「開かずの間」なるものがある。
定番と言えば定番で、ちょっと他のと違うのがブドウみたい連なった鈴が付いているということだ。
しかもこの鈴、どれだけ揺らそうとちっとも鳴らない。
ふると何かが揺れる手ごたえがあるので球は入っているのだろうが、りんともらんとも鳴らない。
なんだろう、と思いながらも、不思議が不思議でないこのアパートの事なのできにしないでおく。
どうせ、「開かずの間」なんだから開くこともないのだろうし。




*



しゃんしゃんしゃんしゃんしゃん




ある日、祭囃子のように賑やかな鈴の音がアパートに響き渡った。
いつもはうるさい鬼たちが一瞬にしておとなしくなって、騒いでる黎明さんや深瀬さんもぴたりとお酒を飲むのをやめて神妙になって、神霊科で働いているはずの秋音ちゃんが飛んで帰ってきて、なんとあの龍さんまでもが現れて、大家さんやるり子さんやクリやシロ、その他まり子さんや佐藤さんや鈴木さんや他のみんな大勢、今まで見たことないような人、物、現象が、静かに、厳かに「開かずの間」へと駆けて行った。
俺もなにやらよくわからんが、とにかく郷に入れば郷に従え、現代風にいえば、おいてけぼりをくらわないように団体行動を取るべし。とりあえず、皆と一緒に「開かずの間」へと向かった。

しゃんしゃんしゃんしゃんしゃん

すると、驚くべきことに、何をどうしても鳴らなかった「開かずの間」の鈴が鳴っているではないか。
風もないのにひとりでに、しゃんしゃんと綺麗な音を鳴らしている。
一体何が起こるのか、と誰かに聞こうとしたけれど、誰も彼も、真面目な顔をしているので聞くに聞けなかった。
そして、俺はふとみんなの視線が「開かずの間」に向いているのに気づいた。
もしかして、この扉が開くのだろうか。
そしたら、この扉の中から何かとんでもないものが飛び出してきたりするのだろうか。
あるいは、どこか禍々しい場所にでも通じていたりするのだろうか。
どちらにしろ、このアパートには危険なものは少ないはず、アンド、住人みんながこうして集まるからにはそれなりの意味があるという事なので、何も知らない俺はただ何が起こるか見ているだけだ。



しゃんしゃん、 しゃん、   しゃん



鈴の音が、止まった。








レポートと同時進行してたらかき終わらなかった\(^о^)/
「妖怪アパート」in魔女っ子の予定です。
妖怪アパートはさすが児童書、のんびりしててすごくあっさりした面白い本です。

拍手

PR

comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

trackback

この記事にトラックバックする:

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]